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とある女の子が、階段を登っていました。登った先にある踊り場にはまだ大鏡はない。
そして、ある男の子達が階段を走りながら降りてきました。
男の子達ははしゃいでいて階段を登ってくる女の子に気がつきません。

そして女の子が踊り場に足を踏み入れると、女の子は持っていた本を落としてしまいました。
女の子がその本を拾って前を向いたとき、目の前にはある男の子が。
男の子は遊んでいて気がつきませんでした。
二人はぶつかって階段の下へ落下。


男の子は軽い捻挫で助かりましたが、女の子は男の子の下敷きになって命を落としてしまいました。


「っ…酷い」

椎名はそう言ってギュッと拳を握った。

「だから大鏡を置いた。階段の様子が分かるように。そして…君はその鏡を利用した」

剣持がそう言って振り向くとそこに立っていたのは下敷きになって命を落とした少女。


女の子は鏡に思いを込めた。だけど、理不尽過ぎた事故で込められている思いは恐ろしいものばかりだった。

怒り、憎しみ、呪い。

彼女自身がそれを願った訳ではなく、闇に呑み込まれてしまったが故に大鏡は怪異としての役割を果たしていった。

「それでも、君はいい子だった。結果がどうあれ、君は足を止まらせる為に鏡に映る姿を変えたり条件を深夜にしたりした」

剣持がそう言いにっこりと笑う。
そこで、椎名も気づいた。

「でも、行方不明者が出てしまったのは肝試しに行くバカが絶えないから…」

少女は人を近づけさせないようにしていたことが逆に人を集め、怪異の力が強くなっていって、最終的に呪いに呑み込まれてしまった。

これが、七不思議・踊り場の大鏡の真相であった。

[…あ、リガとォ…]

怪異となってしまった少女だったが、最後まで優しく、心の強い持ち主であった。

「椎名」

「うん」

椎名は札を持って少女と向き合った。
スゥ、と大きく息を吸って札に椎名の霊力を込める。

「…おさらば椎名ぁ!!」

椎名の目の色と同じ色をしたオーラが少女包み込んで消えた。



踊り場の大鏡は、無事封印された。

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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時

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