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「じゃあ、2時に校門の前で」

「あーい」

ある程度のことは話し、時間もいいくらいだったため剣持と椎名は公園で別れた。

「(2時かぁ…絶対怖いやん。しかも七不思議。)」

椎名は未だに肝試しへ行くことに抵抗があったが、少し前までの恐怖心はなかった。

「(それが全部アイツのおかげとかやったら気持ち悪いわぁ…)」

椎名はそう思いながらクスッと笑った。
その表情は、穏やかだった。


「思ったより話し込んだな。」

剣持は椎名と別れた後、電柱にもたれかかってスマホをいじりながらそう呟いた。

「(三人の行方不明者…そして、喰われていく怪異)」

剣持は、椎名に話していないことがあった。
それは、消えたのは人間だけではないということ。
少しずつではあったが、鏡に低級の怪異が喰われていることに剣持は気づいていた。


剣持は数日前に、とある友人から依頼されていた。

「七不思議の大鏡を封印してほしい?」

「そう!これ以上力を蓄えられるのも厄介だしとーやさんの高校だしちょうどいいじゃないっすか!」

「…いや、問題しかねぇよ。そもそも僕封印とか器用なことできませんし。てかお前狐の神だろ。」

「…はて?」

「はて?じゃねぇよ」

剣持の友人であり、狐の神である青年、伏見ガクから剣持は除霊、及び封印を依頼されていた。

「封印できないのにどうやって封印するんですか…」

「まぁまぁ、とーやさんならいけるって!あと封印はこの札にしてくれぜ!」

「更にハードル上げんじゃねぇ」

口では反論しながらも札を受け取った剣持を見て伏見は笑いを溢したが適当に誤魔化した。

「ま、そういう訳でよろしく頼むぜ!」

伏見は伝えたいことを伝えきって姿を消した。
剣持は、一人取り残されしばらく札を見つめていた。


「…。」

剣持はスマホをしまい、制服のポケットから札を取り出した。

「…椎名に、賭けるか。」

そう呟いた剣持の目はまっすぐしていて、覚悟が決まっていた。

・→←3.肝試し



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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時

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