少し楽しい ページ46
「…なんででしょうね」
ようやく僕の口から出た言葉はなんの答えにもなっていない。けれどほかの言葉なんて頭に浮かばなかった。
「うちにまた練習においでよ。そしたら気づかせてあげるよ」
挑発的に笑う及川さんの顔は月に照らされていて、男である僕から見てもイケメンだと思った
「でももう本当はわかってるんでしょ?」
僕は思わず目を逸らした。失礼にあたる行為かもしれない。けれどあのままずっと目を見ていると何もかもバレてしまいそうな気がした
「…早く行きましょう」
僕は及川さんの問いを無視して歩き始めた。それ以外に逃れる方法が思い浮かばなかった。ただただ逃げなければということしか頭に無かった
「今日、楽しかったでしょ?」
歩きながらまた会話が始まる。と言っても僕から質問することはなく、一方的に及川さんが質問をしてくるだけだけれど
「…さあ」
僕の答えに軽く笑う及川さん。何が面白いのかなんて僕には分からない
「嘘つかなくていいよ!2対2の時のAくん、楽しそうだったよ。イキイキしてた。久しぶりに見たなぁ、あんな顔」
確かに、少し楽しいと思っていたかもしれない。けれどそれは多分、天才と同じチームじゃなかったからだろう。
及川さんは天才じゃなくて努力して上手くなった人だから
(でも僕は及川さんみたいにはなれないよ)
だって僕はバレーバカにはなれなかった人間なんだから
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Karen(プロフ) - 琥珀さん» ただいま下書き制作中の段階なので公開までもう少しお待ちください、出来次第全体公開に変更する予定です!読んでくれてありがとうございます、早く続きを公開できるように頑張りますね! (2022年3月21日 2時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - こんにちは。今日はじめて作品を読ませてもらいました!とっても面白く続きを読みたいのですがパスワードを教えて貰えないでしょうか?これからも応援させていただきます! (2022年3月21日 1時) (レス) @page29 id: 3ae0d96e4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2020年5月15日 14時