才能なんてないから

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サーブ権はじゃんけんで決めるようで、勝った松川さんたちのペアからサーブが始まった。

先にサーブを打った松川さん。そのボールを拾ったのは湯田さんだった。2対2の場合、先にレシーブした方がスパイクを打つことになる可能性がかなり高い。きっとこれは松川さんの戦略だろう

こんなこと言っては失礼に当たるかもしれないが、エースである岩泉さんのスパイクを拾うよりもレギュラーでは無い、ましてや二軍の湯田さんが打ったスパイクの方が何倍も拾いやすいだろう

綺麗に上がったボールを岩泉さんがあげる。そしてスパイクを打つ湯田さん、狙いは松川さんと金田一のあいだのようだ

しかしそれを躊躇うことなくお互いが拾いに行き結局は金田一が上げた。この練習になれているのだろう。お互い自分が取るといったようにボールを追っていた

その後もしばらくプレーが続きさきに15点を先取した松川さんのペアが勝った。

コートを出てから、岩泉さんと湯田さんは悔しそうに反省会らしきものをしていた。そして勝った松川さんと金田一のペアも何か話し合っている

(さすが)

自ら考えて自ら行動する。それが青城の強さに繋がっているのだろう。選手一人一人が常に考えてプレーしているのが見ていてわかる。

それは試合の時だけではなく普段の練習からもそうなのだとわかった。

そんなことを考えながら僕はコートへ足を運んだ

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