・ ページ10
「ほんとごめんなさい毎日お忙しいのに、
大事な時期に危ない目に合わせてしまって....?」
息を呑む音が聞こえた次の瞬間、
私の言葉を遮るかのようにリリーさんに抱き締められた。
またしても予想外の出来事に頭が追いつかない。
「あ、あの?えっと、リリーさん?」
『良かった....』
リリーさんの鼓動が少し速くなっているのが分かった。
顔に熱が集まって息が苦しくなる。
『怪我してない?大丈夫?』
「あ、はい....大丈夫です....」
『Aちゃんが落ちそうになっとるの見て、心臓止まるかと思った。』
「すみません....助けてくださってありがとうございます。
あの、リリーさん。そろそろ、」
『もうこんな危ないことせんといて。』
「はい....えっと、」
『Aちゃん女の子なんやから。』
そう言って私の持っていた機材をひょいと取り上げた。
リリーさんはいつも、私の本当に欲しかった言葉をくれる。
「リリーさん悪いです!このくらい私持てますって!」
『こんな重い物男に任せとったらええ。』
『相変わらず1人で無理しとるから目が離せんわ。』
咎めるような口調からは心配の色が浮かんでいて、
それだけで勘違いしてしまいそうになる。
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 見取り図が好きなのでどちらもドキドキしました!🫶🏻特にリリーさんの話でコンプレックスが出ちゃうシーンとかすごいよかったです!夜中さんのペースでいいですので更新楽しみにしてます✨ (2月15日 12時) (レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜中 | 作成日時:2021年6月21日 9時