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「彼氏なんかいらんよ....絶対作らん!!

やって、私は晋ちゃんが傍におってくれたら何も要らんもん.... 」

『ちょ、お前急にどしたん?落ち付けって!!』

「急にやない!もうずっと我慢しててん.....。

なぁ、晋ちゃん私が何で髪伸ばしたか知っとる?」




面食らった晋ちゃんの顔。

きっと、あの日蓋をしたはずの何年分もの想いが溢れてしまっているんだ。

もう後戻りはできない。




「中学の頃、晋ちゃんが好きやった子が髪長かったからやで?

髪だけやない。このメイクも、髪型も、スカートも全部。」


「晋ちゃんがポロッと言った一言真に受けて、

ちょっとでも晋ちゃんの好みに近づきたくて、着飾って、

ほんまにアホやろ?.....でも必死やねん。何年も。」




きっと世界一不格好な告白だ。

涙で遮られて晋ちゃんの表情は読み取れない。

それ以前に、顔を上げることができなかった。

耐えきれなくなって、今すぐにでも立ち去りたくて

弱い私は、意地っ張りな嘘で逃げてしまう。





「っ、ごめん!こんなん急に....何言ってんねやろ」

『......A、顔見して。』

「やっぱり飲み過ぎたみたいやわ!ほんまはうちめっちゃ弱いのに!!!」

『A、顔。』

「そろそろお開きにしよ!今なら終電も間に合う....っ!」



逃げようとした身体は呆気なく捕まえられて、

あっという間に晋ちゃんの腕の中。

安心、緊張、喜び、全部矛盾した感情でぐちゃぐちゃだ。



『A、言い逃げは無しやって....

頼むから、まだここおって。お願いやから。』



やっと顔を上げて見た晋ちゃんの表情も

晋ちゃんの声色も全部優しくて、また涙が溢れた。





『.....お前、泣き過ぎやろ笑』

「やって....言ってもうたら一緒におられへんと思って....」

『何でそうなんねん!お前1人でなんでも完結さすなや。』




私の背中を撫でながら、大きな溜息をついた。




『どうすんねん。そんなん言われたら、もう戻れへんやん。

諦めよう思てたのに。』


「え、それってどういう.....」


『お前にはもっとちゃんとした、真面目で、大切にしてくれる、歳の近い男がお似合いやって思ってた。』

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あんこ(プロフ) - 見取り図が好きなのでどちらもドキドキしました!🫶🏻特にリリーさんの話でコンプレックスが出ちゃうシーンとかすごいよかったです!夜中さんのペースでいいですので更新楽しみにしてます✨ (2月15日 12時) (レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜中 | 作成日時:2021年6月21日 9時

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