今夜も君と見る夢を望んでしまう (ページ5)

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「お前なぁ...毎回やけど

俺がおるからってそんななるまで呑むなや」

『やって晋ちゃんと呑むお酒が1番美味しいんやもん

それに毎回こうやって送ってくれるし！』

「送らされてんねん！

こんな夜中に1人で返せるわけないやろ」

ふらつく私の身体を支えながら、

空いた方の手で頭を軽く叩かれた。

晋ちゃんはどんなに私が面倒臭い酔い方をしても

どれだけ遅くても、絶対に家まで送ってくれる。

迷惑をかけてしまうのも分かっているけど、

それでも1秒でも長く傍に居たい気持ちが勝ってしまう。

弱い癖に一丁前に強いお酒ばかり頼む自分が

また、ひどく子供に思えた。

「次会えるのいつになるやろね？」

『分かれへんなぁ、今日も会うたの2ヶ月ぶりやったし』

「遠いなぁ.....なぁ晋ちゃんどないする？

離れとる間にうちに彼氏できてもうたら！」

酔いに任せて思っても無いことを口にしてみる。

恋愛は駆け引きも必要とは言うけれど、

相手に全く脈がないくせに、こんなカマをかけても仕方ないのに。

それでもほんの少しだけ彼の応えに期待してしまう。

『お前に彼氏かあ、そしたらもう二人では呑みに行かれへんな。』

「そうやで！！どう？

晋ちゃん寂しいやろ！！私と呑みいかれへんの！」

『せやなぁ......それは、ちょっと困るなぁ。』

予想外の解答。軽くあしらわれるはずだったのに。

『やっとお前の子守り卒業できるわ』って、

いつもなら冷たく返すくせに。

何なんそれ、狡過ぎる。

お酒のせいだって分かっていても胸が苦しくなった。

きっと、いつも通り、平然を粧うべきなのに

「......嘘。作らへんよ彼氏なんか。」

苦しくて、切なくて、もう手遅れだった。