・ ページ2
あっという間の一時間だった。
公演が終わって、余韻にひたりながら外の風を浴びる。
何度も何度も笑って上昇した体温が
ゆっくりと冷やされていくようで心地よかった。
ふと、同じように公演を見に来ていた
若い女の子達の声が耳に入ってきた。
「やばい!笑い過ぎてめっちゃお腹痛いわ!」
「誰のネタが一番好きやった?」
「えー!迷うけど、うちは見取り図かなぁ!」
「ほんまに!うちもやねんけど!!」
そんなやり取りを見て、
何だか私まで誇らしげな気持ちになった。
「え、じゃあ見取り図やったらどっちが好き?」
「そらリリーさんやろ!!」
「えっ!そーなん??うちはモリシやけどなぁ」
「あーでも結婚したいのはモリシやなぁ」
同時にそんな会話も聞こえてくる。
それも結構可愛いくて若い女の子達。
『私は好きなのも結婚したいのも晋ちゃんやけどな』
自分より10歳近く年下の子たちを相手に
そんな大人気ない事を考えてしまう程に私は嫉妬深いらしい。
嬉しさと同時に複雑な気持ちにもなりながら、
いつもの待ち合わせ場所へと足を早めた。
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 見取り図が好きなのでどちらもドキドキしました!🫶🏻特にリリーさんの話でコンプレックスが出ちゃうシーンとかすごいよかったです!夜中さんのペースでいいですので更新楽しみにしてます✨ (2月15日 12時) (レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜中 | 作成日時:2021年6月21日 9時