氷上で、流れ星に願いを。〚イナズマイレブン〛 (ページ49)

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20話ページ49

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──吹雪を抱きしめていた。
いいや──吹雪が必死にAに抱きついているから、Aも抱きしめ返している。が、正しいのだろう。吹雪はまるで縋り付くように、何も見たくないというふうに、Aの胸に顔を埋めていて。Aの着ている赤いコートがぐしゃぐしゃになるほど握りしめている。

『だぁいじょうぶ、士郎くん。屋根の雪が落ちただけだよ、雪崩なんかじゃない。』

「…や、屋根から…？…なんだ…屋根の雪か…」

Aが震える吹雪の頭を優しく撫でながら優しく穏やかな声でそう言う。それに吹雪はなんだ、と安心した言葉を吐いたあと、ゆっくり、とAから離れた。ゆっくり、と立ち上がる吹雪にAが手を貸す。立ち上がった吹雪はAから貸してもらった手に指を滑り込ませて、俗に言う恋人繋ぎをしたあと、自身の上着のポケットに入れる。その行動に慣れているのか、Aは一切動揺していない。

「なんだ？どうかしたのか？」

「あ、いやぁ…なんでもないよ！」

「これくらいの事でそんなに驚くなんて、意外と小心者ね。」

夏未の言葉に、誤魔化すように苦笑いをした吹雪はさっきのように甘えるようにAの頭や肩に自身の頭を預け、擦り寄った。

「ナヨナヨしたやつだなぁ…ホントにすごいストライカーなのか…？」

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