氷上で、流れ星に願いを。〚イナズマイレブン〛 (ページ17)

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17話ページ17

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Aの持っていたボールに豪炎寺はぽん、と手を置く。豪炎寺の表情を見たAはふっ、と優しく微笑む。

『そんな悲しそうな顔をしないで、豪炎寺くん。』

「ふっ、お前に言われたくないな。夕香の病室で俺の話を聞いていた時、お前だってこれ以上無いくらい悲しげな顔をしていたぞ。」

『！…そうなんだ。』

Aの手を優しく握った豪炎寺は河川敷を降りていく。それに抵抗せずついて行くAの視線はサッカーボールに固定されていた。

『へぇ、" ファイアトルネード "が……』

「っああ！」

シンプルなボールの取り合いの勝負──と言っても豪炎寺はボールに触れてもいないが。
豪炎寺が暗い顔をしていた原因を話しながら、2人はその日ずっとサッカーをしていた。
ちなみに後日知ったが、その日の練習はなかったらしい。Aは嵌められたのだと、ひとりため息をついた。いいや、嵌められたこと自体をAは嘆いている訳ではなく。豪炎寺に嘘をつかれたことに負の感情が湧かなかったことだった。そして、豪炎寺もそれに気づいているからこそ。A自身は押しに弱いと考えているが──誰かの願いを避けられないお人好しに気づいているからこそ、これからの豪炎寺が何をするのか、何が起きるのかとため息を着いたのだった。

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