始まり…？ ページ1
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『帝国学園…？ それは大変だね…』
「あぁ…うちのサッカー部はもう終わりだ……」
「何言ってんだよ半田！！さぁ！練習行こうぜ！！」
項垂れた少年──半田と半田を引っ張ろうとしている少年──円堂に、前に座る少女──Aは優しげかつ困ったように微笑んだ。
『おや、諦めちゃうのかい？』
「諦めるって言うか、他に選択肢ないだろ…」
「諦めるわけないだろっ！絶対に廃部になんかさせない！」
『ふふっ、そっか。』
かたり、と椅子が音を立てる。その音に顔を上げた半田と円堂は、ぽん、と頭に落ちてきた柔い衝撃に驚く。そんなことをするのは一人しかいなくて。氷のような美しく優しい微笑みを称えたAは、その薄い唇から柔い声出す。
『がんばれ、応援してる。』
「──……お、おう……」
その同い年とは思えない美しさに半田と円堂は息を飲み、上擦り揃った声で答えた。
『お疲れ様のようだね、円堂くん、半田くん。』
「おう、でもまだまだだぜ…！」
「あぁ、今日も特訓だ…！」
また別の日。
うつ伏せになっていた半田はゆっくりと顔を上げる。横に立っていた円堂も横に顔を向けた。前に座っているAはいつも通り美しく微笑んでいて、その光景は数日前と一緒だった。が、あの時のどんよりとした雰囲気ではなく、生き生きとした雰囲気だった。
「遂に明日かぁ……」
『練習もいいけど、今日はきちんと休むんだよ。休息もひとつの準備だからね。』
「！ おう！そうだよな…！ありがとう！」
『じゃあ、さようなら』
ひらり、と白く細い手が左右に揺れる。それにがたり、と立ち上がった半田は円堂と共におう、と勢いよく腕を降った。
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作者名：あい | 作成日時：2023年3月18日 0時
