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騒ぐ心が警戒音を鳴らしている。
まるで、何かが起こることを教えてくれているように。
響木監督が警戒を促す。それは少々オーバーに聞こえるかもしれないが、バスの事故が起きれば一生サッカーができない怪我や最悪死もあった。妥当な判断にわたしは思えた。
でもその事より、わたしは先程からの春奈ちゃんの様子が気になっていた。
『春奈ちゃん…』
「Aちゃん……」
まるで縋るように手を伸ばされる。その手をできる限り優しく握り、優しく微笑む。
それに春奈ちゃんは、力なく笑ってくれた。
扉に書いてある" 雷門中学校様 "の文字と、エンブレム。皆さん、生唾を飲み込み中へ入ろうとした。その時。
「？！ 鬼道…？！」
「無事に着いたようだな。」
その言葉に染岡さんは反発する。
歩き出した鬼道さんと目が合う。そして次に修也くんと目が合っていた。
ぎゅう、と握られた手が強くなる。隣を見れば険しい顔になっている、春奈ちゃんがいた。
鬼道さんを追いかけていく春奈ちゃん、それを追いかけようとするわたしの手を誰かが引き止めた。後ろを振り返ると、そこには修也くんがいた。
手を引かれるまま、控え室に入った。
「あれ、円堂くんは…？」
『わたし、探しに行ってきます。』
「うん！お願い！」
なんて重い雰囲気なんだろう。暗く、不気味だ。まるで要塞の中を歩いている気分で、自然と背筋が伸びる気分になる。
「久しぶりだな」
『っ！あなたは…！』
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作者名：あい | 作成日時：2023年3月14日 19時
