声恋【江口拓也】

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今日は仕事オフだから新しくコスメやメイク道具の調達でもしようとデパートへ足を運んだ


いつものコスメショップに入り品物をを物色していると肩をトントンと叩かれた
振り返るとここの※BAである長峰隼人(ながみねはやと)さんが立っていた


※BA=美容部員(ビューティアドバイザー)
お客様の要望や悩みを聞いて実際にメイクをしたりカウンセリング等をする人




長峰「こんにちは」

貴方『こんにちは！』

長峰「新作入ってるよ、きっと気に入ると思う。使ってみる？」

貴方『お願いします！』




長峰さんとはもう2年ほどの付き合いになる。
初めてここに来た時難聴の私にもわかるように丁寧に説明してくれた
最近チーフにまで選ばれて毎日活躍しているみたいだ
男性というだけでもかなり肩身の狭い職業なのは同じ美容系の仕事をしている私にはよくわかる。だからこそ本当に尊敬できる人だ。


案内された席に着いてサンプル品をお借りして肌に塗ってみた




長峰「どうかな？」

貴方『素敵です！春らしい色合いだし肌にも馴染みやすいですね』

長峰「でしょ？Aちゃんなら気に入ってくれると思ったんだ」

貴方『他にオススメのものはありますか？』

長峰「ちょっとまっててね」




筆談でやり取りをしながら真剣にコスメ選びをした
こうしてコスメを選んだり実際に誰かにメイクをしている時が1番幸せだ


しばらく長峰さんにお相手をしてもらい納得のいくお買い物が出来たところでお別れをした




貴方『今日もありがとうございました！』

長峰「どういたしまして、またいつでも来てね」




優しく微笑んでくれる長峰さんに笑顔で大きく頷いた

店から出て時間を確認するとまだ13時で中途半端な時間だった
どうせなら少しデパート内を歩いてみようかな。





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