声恋【江口拓也】

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自分が降りる駅に着いたので江口さんにLINEを送った



Aここで降ります。今日はありがとうございました!
江口拓也俺もここで降りるよ



江口さんも最寄り駅ここだったんだ！
家どのへんなんだろう


2人で電車を降りるとさり気なくフォローしてくれたりエスカレーターを乗る時も後ろに立ってくれたり凄く気遣ってくれた

優しい人。初めて会った時から人あたりの良さを感じていた
きっと宏ちゃんや花江さん達みんな江口さんの事好きなんだろうな


駅を出て家へ向かう中、ふと上を見上げると都会にしては珍しく星空が綺麗だった
思わず見とれてボーッと歩いていると突然江口さんに抱き寄せられた
驚いて振り向くと自転車が目の前を横切った




江口「大丈夫？」

貴方『すみません！』




必死に『ごめんなさい』のポーズで何度も謝ると笑ってくれてホッとした




江口「星綺麗だよね」

貴方『はい！』

江口「綺麗って手話だとどうやるの？」




江口さんの質問に応えて『綺麗』の動作をすると私に指を指した
不思議に思い首を傾げると口を動かしながらさっき教えた動作を披露してくれた




江口「Aちゃんも綺麗だよ」

貴方「！」




少し照れた様子で笑う江口さんに恥ずかしくなって思い切り顔を横に振った

綺麗だなんて…！そんな事ない！
もちろんそんな事言われて嬉しくないはずないけど…

綺麗なんて言葉初めて言われたし恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして俯きながら手話でお礼を伝えたく




貴方『ありがとうございます』

江口「どーいたしまして」




優しく笑うと歩き出す江口さんの背中をドキドキしながら見つめた





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