その22 ページ22
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侑さんの目が開いた気がした。
「それ、自分、冗談で言ってる?」
「なわけ、ないじゃないですか…」
顔を上げて、侑さんの目をしっかり見る。
「あの日からまだ2ヶ月もたってないですが、侑さんのこと好きになってしまった自分がいます。心変わり早いって思います…んんっ!」
いきなり侑さんに抱きしめられたこの状況。
抱きしめられた、というより飛びつかれた、という表現の方が正しい気がする。
「あ、あの、侑さん、ぐるし、」
と、侑さんがいきなり大きな声で、
「俺!Aちゃんが、あのクソ野郎と付き合う前からずっと好きやった!だからつきおうてください!」
びっくりと恥ずかしさと、嬉しさで思わず目が開く。
「これで、侑さんにクリスマスプレゼントあげる言い訳ができました」
お互い目を合わせて、へへへ、と笑う。
「おーおーお熱いねえ、おふたりさん」
あ、忘れてた。
ここは、体育館であって、練習前で、みなさんお揃いだったことを。
「え、あ、えっ「Aちゃん、今から俺の彼女やから!手だしたらしばく!」」
私の肩をとって、全力で部員の皆さんに報告する侑さんに思わず声を出して笑ってしまう。
みんながにやにやしながらこっちを見る。
「なんやっ、うらやましいんか!」
と言いながら侑さんが練習に参加しに行く。
きっかけはどうあれ、好きになった理由がどうあれ。
わたしはこの人に救われて、初めて自分から好きになって、そして今日、恋人という仲になった。
「心がほわってする」
「(名前)ちゃんー!」
と声がする。
「俺にとって、一番の存在やから!」
全力で笑顔の彼に向けて嬉しさでちょっと涙が出てしまった顔で私も笑った。
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ある、日常(プロフ) - 蜜希さん» 想像で書いてる自分も思わずにやっとしてしまいます。笑 (2020年6月17日 22時) (レス) id: c703f82a79 (このIDを非表示/違反報告)
蜜希 - あ、わいもあつむくんの胸に飛び込みたi...() (2020年6月15日 1時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ある、日常 | 作成日時:2020年6月3日 0時