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「お疲れ様でした!」
楽屋でもう一度軽くお祝いしてもらった後、解散する。
玉はずーっと携帯をいじってて、まだ帰る気配はない。
千ちゃんは用事があるとかでもう部屋にはいなかった。
楽屋がどんどん静かになっていって、さっきまで賑やかだった分余計もの悲しい。
(帰ろ・・)
そう思ってドアノブに手をかけた時、携帯が震えた。
「おっ、佐久間」
正直、このまま一人は嫌だなって思ってたから嬉しくてつい声に出してしまう。
楽屋のドアを開けながら通話ボタンを押した。
「もしも、」
だけどするりと手から携帯が抜かれる感覚に俺の言葉は中途半端に途切れた。
携帯が消えた先を辿って後ろを振り返ると勝手に通話終了のボタンを押してる玉がいて。
そのことに怒るより前に、玉がすぐそばに立っていることにまた小さく胸が高鳴ってて、やっぱり俺ってバカだなって思った。
「え、何?」
「ダメ」
「・・・何が?」
「ダメだから」
一応携帯を奪った理由を聞いてみるけど意味のわからない答えしか返ってこなくてあきらめた。
半ば強引に乗せられた車中でも玉は終始無言で、携帯返して、とかどこに行くの?とか言いたいことはいっぱいあったけど、とりあえず黙っていた。
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作者名:aika | 作成日時:2016年9月19日 15時