天穹ソルティ【ハイキュー】【及川徹】

oily ページ25

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「Aに猛じゃねえか。よく来たな」





次に屋外で焼きそばの屋台をやっている岩ちゃんのクラスの所に寄った。猛とAと俺で二つ買い、もうすぐシフトが終わるという岩ちゃんを待つ。


クラスで作ったというＴシャツを肩まで捲り上げて、首にタオルをかけながら焼そばを作る姿は、いい意味で岩ちゃんらしい。似合ってるから人がよってくる。


そう思いながら食い散らかす猛を小突き、焼きそばのソースがついたAの口端をハンカチで拭って待っていれば、タオルで汗を拭きながら岩ちゃんが屋台からでてきた。





「いい食べっぷりだな」


「一兄の作った焼きそばめっちゃうめえぞ!!」


「そりゃあ良かった。A、美味しいか？」


「おいしい」


「そうか」





岩ちゃんは二人の頭をガシガシと撫でると、俺たちに向き直る。


特に俺の方を見てゲンナリした顔をした。失礼だな！





「なんだその格好」


「海賊。どう？」


「花巻は自然体だな」


「ちょっと!!」





失礼な!!、と焼そばを啜った。普通に美味い。俺が作ったらこんな美味しくはならないはずだ。なんか悔しい。


焼そばをちまちま噛んで目を輝かせるAを眺める。Aはこの一ヶ月で随分回復した。それでもまだ体重は標準より８kgも少ない。食べる量や食べる物もちゃんと管理してあげないといけなかった。


焼そばを食べ終わり、次はまっつんのクラスに行く事にした。


途中知らない女の子から声をかけられるが笑って誤魔化す。岩ちゃんとマッキーの視線が痛い。ていうか、マッキーも岩ちゃんも普通に色んな人から声掛けられてんのに、もはや理不尽だ。


Aに合わせてゆっくり歩き、まっつんのクラスに着いた。





「いらっしゃいませ。五名様で宜しいでしょうか？」


「まっつんマジか」


「一静めっちゃかっけー!!」





世の中理不尽だと思う。








*oily．．．脂っこい、ギトギト。油がふんだんに使われている様。

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