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sirupy ページ23

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「なんでAがここに!?」


「久しぶりAちゃん」


「...Aに?」


「そうだよ〜」


「ちょっと!!そこ勝手に話を進めないで!!」





何故か得意げな猛を問い詰めようとするも、隣で呑気な会話が繰り広げられてはたまらない。


猛はともかく、Aは今日来ないはずだった。Aはまだ十分に歩行できる程の筋力も骨格も出来上がっていないからだ。現に今、病院から借りた杖をついている。


俺の足でも家から学校まで10分かかる。今のAじゃ、2kmも満足に歩けないはずだ。何分かかってきたのやら。





「ていうかA、体大丈夫?家からここまでまあまあ距離あったと思うんだけど」


「大丈夫」


「ほんとかなあ...」


「徹がコスプレしてるって言ったら、コスプレって何?ってAが聞いてきたから連れてきてやったんだぞ!!」


「やったんだぞ!!じゃねえよこの糞ガキ!大体母ちゃんは許したの!?」


「ばあちゃんはいいって言ってた!!」


「マジかよ...」





怒涛の如く会話を繰り広げる俺らをよそに、Aは興味津々な様子で辺りをキョロキョロと見渡していた。これ程人がいる所は初めてだからだろう。バテないといいが。


まあせっかく来たんだしね。





「まあいいや。A、歩ける?足痛くない?」


「痛くない」


「そっか。じゃあちょっと回ってく?俺今日の分のシフト終わったし」


「回る?」


「色々なお店があるから、見ない?」


「おみせ」





Aの瞳が輝く。文化祭の事はよく分かっていないみたいだが、お店という言葉に反応したみたいだ。


猛の事はまだジト目で見ていたが、心はもうAと回る場所を考えては浮かれている。普段は外にいけないから、今日ばかりはちょっとでも楽しんでいってほしかった。





「え、Aちゃん文化祭回るの?俺も着いてっていい?」


「貴大も一緒なのか!?」


「お前らがいいならなー」


「いいぞ!!」


「なんでお前が許可してんだよ。まあいいけど」


「いいのかよ」





そわそわしているAに手を差し出した。





「じゃあ行こっか」








*sirupy...甘ったるい。シロップなどの濃厚な甘み。

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ゆん(プロフ) - 素敵な作品で続編が気になってしまいました💦期間限定とのことですがすごく感動してます😭 (2022年9月28日 19時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
桃缶(プロフ) - たくさんの温かいコメント、本当にありがとうございます。失礼ながら個人への返信は控えさせて頂きます。どうでもいい話ですけど、BGMはUruさんの『あなたがいることで』がオススメです(笑)ぜひ聞いてみてください。 (2020年5月9日 16時) (レス) id: 429c5bc4b5 (このIDを非表示/違反報告)
なむなむ(プロフ) - すごくいいお話でした。この作品を読んでアンチコメントとかする人はいないですよ!!いい作品ですもん。色んな人に読んでもらいたい作品です! (2020年5月9日 13時) (レス) id: 2521c199da (このIDを非表示/違反報告)
メビ(プロフ) - とても素敵な作品だと思いました!期間限定なのが惜しいくらいです。感動をありがとうございました! (2020年5月9日 12時) (レス) id: ee2ddb04ba (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - これ…期間限定公開なんですか?も、勿体ないです!!凄く素敵な作品でした……!! (2020年5月9日 10時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリンギ(サブ垢) | 作成日時:2020年4月24日 10時

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