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誰が犯人かも分からない中、知らない男に話を聞かれるのは恐怖だろう。その点、欧米では未だ大学生や高校生に見られる事が多い赤井や、言わずもがなのリンの方が、恐怖心が半減する。

「無理にとは言いません。でも、出来れば話して欲しいんです。一刻も早く犯人を捕まえるために」

ミラはギュッと目を瞑り、眉を寄せて涙を流すばかりで、一向に口を開かない。赤井は途方に暮れてリンを見た。容疑者の事情聴取は何回かした事があるが、こうした女性の被害者を相手にするのは初めてだ。赤井を育てる点でもリンがこの場に連れてきたのは明白だったが、アドバイスもなしに口を割れというのは酷だった。

リンが口を開いた。

「ご主人、少し席を外して頂けますか」
「しかし、」
「奥さんを傷つけないと誓います。ですから、少しだけ我々三人にして頂けますか」

リンの目力に気圧され、夫は困惑した表情で頷いた。ミラの背中を撫で、肩を撫で、それから立ち上がり、消えていった。
リンは身を乗り出した。

「今から聞く事は、絶対にご主人には話しません。貴女がどんなに苦しくて恥ずかしい思いをしたか、同じ女性としてお察しします。私達FBIは総力を上げてこの事件を捜査し、犯人を追います。その為にも、貴女の助けが必要なんです」

赤井はガツンと頭を殴られた気がした。
主人に己の受けた恥辱を知られたくない──────それは愛する夫を持つ女性にとって、至極当たり前の感情だ。赤井の聞き方は決して間違ってはいなかった、しかし、女性に対する配慮が今一つ足りていなかったのだ。

リンはゆっくり立ち上がり、静かにミラの元にしゃがみ込んだ。俯くミラの顔を覗き込むように見上げ、膝の上で固く握り締められる拳を小さな両手で覆った。

「・・・・・・そんなに幼い見た目なのに、貴女はFBIの捜査官なのね」
「よく言われます。プライマリースクールの子供みたいだって」

ミラは初めて震える口角を僅かに上げた。

「・・・・・・突然の事だったの。メアリーを寝かしつけて、シャワーを浴びていたら突然後ろからタオルで目と口を覆われて・・・・・・」
「襲ってきた男に特徴はありましたか?」
「ずっと床に倒されていたから、あんまり・・・・・・でも、何だかつるつるしていたわ」
「それは・・・・・・」

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エリンギ(プロフ) - ありがとうございます!台詞は海外ドラマを参考にしています! (2022年9月27日 7時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
想世(プロフ) - 主人公達の台詞回しが素敵ですね。見かけは未成年なのに強者感マシマシでカッコいい主人公にも、ギャップの差で心を掴まれました。どうなっていくか、これからの展開が凄く楽しみです。 (2022年9月26日 2時) (レス) @page4 id: 7931d7abb1 (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - ベルさん» ありがとうございます! (2022年9月25日 23時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
ベル - かっこいい夢主の話はあまり見たことなかったのでとても面白いです!更新頑張ってください!! (2022年9月25日 19時) (レス) @page6 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリンギ(サブ垢) | 作成日時:2022年9月25日 12時

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