短いおはなし

みずたま*千秋亮 ページ5

『…はぁ、』

何度目かわからない溜息をつきながら、教室の窓から外を眺める。

雨、やまないなー。

午後から突然降り始めた雨、そんなことを全く予測していなかった私は傘を持ってきていなかった。

濡れて帰るしかないか。

と観念して昇降口に行く。

そのまま靴を履いて、一気に走り出す。と、後ろから声が聞こえた。

「名字ー！」

振り返るとそこにいたのは千秋くんで、傘をさして私のとこまで走ってきた。

そしてそのまま傘の半分に私を入れる。

『…え、』

つまりは相合傘状態で。

「歩いて帰ったら濡れるし、家の方向一緒なんだから入ってけよ」

うわ、なんでこういうこと、さらっとやっちゃうかな。

『…あ、ありがと！』

こんなんされたら、好きになるしかないじゃんか。なんて。





(お前もう制服だいぶ濡れてんじゃねーか、明日休むなよー)

(う、うん！)





--------------- ﾖ ﾀﾞﾝ ---------------
リクエスト多かったけど千秋くん難しいです。
性格とかよくわかんないまま頑張りました。
ちなみに名字ちゃんはカス高の生徒。

このあと名字ちゃんが案の定風邪をひいて、千秋くんがお見舞いに来たとか来てないとか。

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