短いおはなし (ページ3)

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みずたま*加東慎介ページ3

「名字」

壁に寄りかかってぼーっとしていたら加東くんに呼ばれた。

危ない、少し寝かけてたな、なんて。

『んー？』

ゆるい返事をして、気づいたら視界が加東くんでいっぱいになってた。

ち、近い…！

『へ…？、か、とうく…ん？』

私の顔の左側には右腕があって、それは紛れもない壁ドンだった。

そのままの状態で私をじっと見つめる加東くん。

どんどん暑くなっていく自分の顔。

うわ、私いま絶対真っ赤じゃん。

どうしよ、これ、耐えられないんだけど。

『あ、あのっ…』

にやり、と不敵に笑う加東くんに、かっこいいと思ってしまう。

「名字、スキありすぎなんだけど」

完全に、油断…してた。
どんどん恥ずかしさが増してくる。

息が苦しくて、顔が暑くて、鼻の奥がつん、として、初めての感覚に戸惑って、思わず下を向いてしまった。

「ねえ、」

耳元で聴こえる低い声に、肩が跳ねる。

「俺、好きなんだけど、…Aのこと」

好き。その言葉を聞いて、私の反応を楽しんでたわけじゃないんだ。と安堵した。
それと同時に込み上げてくる感情。

『わ、わたしも…好き、だよ』

下を向いたままで言うと、顔の横にあった右手が動いて、そのまま抱きしめられる。

「A、付き合おっか」

『～っ…うん！』

(俺、ここまでしといてフラれたらどうしようって死にそうだったわ)

(いや、こっちのほうが死にそうだったよ！
絶対寿命縮まったって！)

--------------- ﾖﾀﾞﾝ ---------------
加東くんにこんなことされたらきっと溶けますよわたし。
最近ちょっと加東くん好きすぎてやばいのでもしかしなくても加東くんに偏る予感。

このあと志村くんと木村くんが告白のことを聞いて、壁ドンのことをいじられまくって大変だったとかなんとか。

ちなみに告白の舞台は放課後の教室辺りですかね、いや、屋上？