短いおはなし

みずたま*加東慎介 ページ14

胸の奥がずきずき痛んで、鼓動が早くなって…。


加藤のことを考えるといつもこうだ、自分でも飽きれるくらいにわたしは加藤にゾッコンらしい。


『…はぁ、』


加藤のことが頭から離れなくて、なんというか、恋する乙女状態だ。

いや、実際に恋する乙女だけどね。

現に今も公園のベンチでたそがれてるよ、こんちきしょー。





加藤とは中学が一緒で、結構仲がよかった。

その時は友達としか思ってなかったのに、学校が離れた途端に好きだったってことに気づいて。

なんていうか、わたしって


『鈍感、だなぁ…』

「なにが？」


後ろから聞こえた声に驚く。

だって、この声って…


『…加藤？』

「よぉ、久しぶりー」


後ろを振り向くと、片手を挙げて笑う加藤の姿。


『(無邪気に笑いやがって、心臓に悪いんだよ…)』

内心そんな事を思いながら、加藤を見る。


『っ、ほんとに久しぶりだね！』


「もう10年くらいあってない気がするわ」


『それは長すぎるよ、2年くらいじゃない？』


それでも十分なげぇよ、と苦笑いした加藤に、少し期待しちゃったりするこの乙女心。

恋ってすごいわ。


「だいぶ変わったな、名字」

『…そうかな？
あ、髪伸びたからじゃない？』

2年も会ってないから、そりゃ、髪型くらい変わるわけで。


「いや、そうじゃねーよ
…なんつーかさ、」

『…？』









「か、可愛く、なったよな」




『…っ』


顔を真っ赤にしてそんなこと言うのは、いくらなんでも、ずるい、と思う。





((ほんっと心臓に悪いっ…))

((ま、待てよ俺には環奈ちゃんがっ…))





--------------- ﾖ ﾀﾞﾝ -------------

お久しぶりです。

やっと更新したと思ったらこんなんかよw

その気持ちよくわかります。


5000hit超えててひっくり返りました。
ありがとうございます。

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←お知らせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す