異能は月下獣 ２ ページ40
探偵社に到着すると、急いで扉の前に立った。
急に開けると驚かせてしまうので、なるべく落ち着いて扉を開ける。
『……おはよう御座い、ま……す』
メイド服を着た鏡花ちゃん。
そして彼女を中心にして群がっている探偵社の皆。
谷崎さんに至っては、写真を撮っている――あとで送ってもらおう。
「ちょっとくるっと回ってみて！」
きゃっきゃと楽しそうなナオミさんの声。
いや、わかるよ。
はしゃぎたくなる気持ちは物凄くわかる。
『……何、してるの？』
スッと目を細めて探偵社のメンバーを見た。
と言っても、賢治くんと谷崎さん、与謝野さんにナオミさんの四人だけれど。
「おや、やっと来たンだね、A。……！ それは妾が買った服じゃないか」
そう言う与謝野さんの顔はどことなく嬉しそう。
着てきてよかった、とホッとした。
正直、これを着るタイミングが判らなかったのだ。
昨日は絶対に血塗れになると、わかっていたから着ていくのを止めた。
血塗れになった服は、多分もう着れないだろうから。
なかなか落ちないんだよ？ 血って。
「似合ってますわ、Aさん」
「うん、似合ってるよ」
「あら……♡」
イチャコラしている谷崎兄妹は放っておこう。
私は与謝野さんの方を向く。
そのまま軽く頭を下げ、口を開いた。
『これ、ありがとう御座いました。……どう、かな？』
そう尋ねると、与謝野さんは口元を緩める。
「似合ッてるよ。着てくれてありがとねェ」
くしゃっと頭を撫でられた。
力強く、でも優しく。
それが嬉しくて、ついつい頬を緩めてしまう。
ああ、駄目だ。
与謝野さん大好きになっちゃいそう。
元から好きだけど。
私、そういう女子同士でれないはしないって思ってたのに……。
恐るべし与謝野さんっ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウミソラ(プロフ) - とても面白かったです！！続き楽しみに待ってます！！！ (2018年10月22日 18時) (
レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^読んでいて、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月13日 22時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
大吉 - 面白いです!続き楽しみにしてます!！ (2017年11月2日 14時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリオLOVE - 中島ちゃんに鏡花ちゃんマジかわゆすこの小説大好きなので最新楽しみにしてます！ (2017年8月26日 8時) (レス) id: b580a56628 (このIDを非表示/違反報告)
瑞祥(プロフ) - シュガーさん» コメントありがとう御座います！そう言っていただけると嬉しいです！ (2017年7月30日 13時) (レス) id: 099595ab61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑞祥 | 作成日時：2017年7月1日 9時
