異能は月下獣 13 ページ17
取り敢えず、ということで、公園を目指す私と鏡花ちゃん。
中島くんが何処に連れて行ったのか判らないから、適当にブラブラと歩くしかないのだ。
しかも私は女だから、デート
クレープを売っている、車型のお店。
その前を通ればふんわりと甘い匂いが漂ってきた。
「あそこのクレープ屋、凄く美味しいんだよー」
「え〜っ。一口食べさせてよ!」
あっれれぇ〜?
もしかして、中島くんと同じところに来ちゃった系?
クレープを購入する女性たちを、じ〜っと興味深そうに
見ている鏡花ちゃんに、私は思わず苦笑いをしてしまった。
本当に食べたいんだなぁって思えるから。
「たべたい」
豆府はちょっとしか食べさせてあげられなかったから、
クレープは喜んで買ってあげることが出来る。
私だって鏡花ちゃんと一緒にクレープ食べたいし。
あ、誤解の無いように言っておくけど、クレープ自体は食べた事あるからね?
ただ鏡花ちゃんと食べてみたいだけであって。
『甘いもの、べつばらだもんね』
そう言ってみせれば、鏡花ちゃんはコクリと頷いいた。
私はクレープを二つ購入し、一つを鏡花ちゃんに手渡す。
因みに私はチョコクレープにした。
『……美味し』
「……うん」
二人でまったりとクレープを食べる。
誰かとクレープを食べるなんて、全然想像したことなかった。
私には友達はいなかったし、唯一私の味方だった子とは、学校以外じゃ会えなかったし。
だから、今こうして鏡花ちゃんと一緒に
クレープを食べることは、前世からの私の夢だといえるだろう。
――夢、かぁ。
もしかしたら、今までの事は全て夢だったのかもしれない。
辛いことから逃げる為に、私は今もずっと夢を見続けている。
私は、本当は死んでいないのかもしれない。
病院で眠っている私は、現実に戻りたくないあまりに、こんなリアルな夢を見ているのだ。
もう辛い思いをしたくないから。
だとすれば、この夢を終わらせたくないと思ってしまう。
終わってしまえば、私はまた前の生活に戻る。
それだけは、それだけは嫌。
ずっとずっと……此処にいたい。
この時間を、楽しんでいたいの。
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ウミソラ(プロフ) - とても面白かったです!!続き楽しみに待ってます!!! (2018年10月22日 18時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^読んでいて、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月13日 22時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
大吉 - 面白いです!続き楽しみにしてます!! (2017年11月2日 14時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリオLOVE - 中島ちゃんに鏡花ちゃんマジかわゆすこの小説大好きなので最新楽しみにしてます! (2017年8月26日 8時) (レス) id: b580a56628 (このIDを非表示/違反報告)
瑞祥(プロフ) - シュガーさん» コメントありがとう御座います!そう言っていただけると嬉しいです! (2017年7月30日 13時) (レス) id: 099595ab61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞祥 | 作成日時:2017年7月1日 9時