異能は月下獣 ８ ページ12
国木田さんが鏡花ちゃんを見る。
いつの間にか、お皿は片付けられていた。
「それで？」
カコンと、ししおどしの音が聞こえてくる。
まるでこのタイミングを狙っていたかのように。
鏡花ちゃんが口を開く。
「両親が死んで、孤児になった私をマフィアが拾った」
ここだけなら、マフィアは良い人だ。
“ここだけなら”の話だけどね。
「私の異能を目当てに」
確か、彼女の両親はどちらも闇の人間だった筈。
だが……どうして鏡花ちゃんが異能力を持っていたことを知っていたのだろうか。
夜叉白雪を具現化する異能力は、元は鏡花ちゃんの母親のもの。
死ぬ間際になって、そこで鏡花ちゃんに託された異能力だ。
……まぁ、細かいことは気にしなくても良いかな。
考えるだけ無駄、というか疲れる。
別に絶対に知っていなきゃいけないようなことでもないし、大丈夫。
それにしても、異能力目当てって、ちょっと複雑。
異能力だけが目当てで探偵社に入れられたのなら、少し複雑な気分になる。
だって、異能力が目当てで“私”は見てくれてないって事でしょ？
確かに、入ってから変わるかもしれない。
でも、マフィアでそれはなかなかあり得ない事だろう。
「『夜叉白雪』はこの電話からの声にだけ従う」
ス……と静かに携帯を置く鏡花ちゃん。
可愛らしいうさぎのストラップが付いている。
あぁ……っていうかスマホじゃないんだよねぇ……。
そんな事を考えてしまう。
ガラケーって、確かに使ってる人はまだいるけどさ？
私はもうスマホに慣れちゃってるから、なんていうか変な感じがするんだよね。
使えないわけじゃないけど。
タップとボタンって、かなり違うから。
しかも私、タイピングが癖になっちゃってるからさ……ガラケー使いにくい。
「だからマフィアは、それを利用して暗殺者に仕立てた、か」
手を顎に当て、考えるような素振りを見せる国木田さん。
『……携帯、捨てたらどうなるの？』
鏡花ちゃんの携帯を指差しながら聞いてみた。
まぁ返事はわかっているんだけどね。
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ウミソラ(プロフ) - とても面白かったです！！続き楽しみに待ってます！！！ (2018年10月22日 18時) (
レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^読んでいて、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月13日 22時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
大吉 - 面白いです!続き楽しみにしてます!！ (2017年11月2日 14時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリオLOVE - 中島ちゃんに鏡花ちゃんマジかわゆすこの小説大好きなので最新楽しみにしてます！ (2017年8月26日 8時) (レス) id: b580a56628 (このIDを非表示/違反報告)
瑞祥(プロフ) - シュガーさん» コメントありがとう御座います！そう言っていただけると嬉しいです！ (2017年7月30日 13時) (レス) id: 099595ab61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞祥 | 作成日時：2017年7月1日 9時
