アイドルの君とまだアイドル嫌いな私【鬼滅の刃】

第四十話　作り笑い ページ5

でもその時の私はそこまで頭が回らなかったから、
聞かなかった

いや…聞けなかったのかもしれない
　
これ以上知らない方がいいのかと思ったから


学校では、皆アルバムを作っていた
ただ1人、私だけ作っていなかった

違う…作れなかった


先生は、「今ある写真でいいのよ。」と言ってくれた
その時の私は何も持っていなかったから友達のを見学していた


ふと＿＿＿ある男の子の写真が目に留まった


『この男の子誰？？』

友達「この子？この子はね、
　 私の運命の人なの！！！！」

その子は笑顔で言った
運命の人…私にはいないかな…？


家に帰って親にその事を話した


『私にも運命の人いるかな！？』

「…………そうね。
　Aにもいるわよ。」


どこか切なそうな顔で母さんが言った


『誰！？母さん知ってるの！？』

「し……ってるわ。
　Aの事を助けてくれたのよ。」

「おい…それ以上は…「わかってるわ…。」っ…。」

『助けてくれたのかぁ…。』


記憶がないからわからないけど…
でも、私にもいる！！！！

私を助けてくれた運命の人！！！！


『何から助けてくれたの？！』

「…内緒よ。」

『ちぇー…』


当時の私は無一郎と、有一郎だと思っていた
いつも助けてくれるから

でも2人に出会ったのは7歳の頃

母さんが言っているのはきっとそれよりも前…

その事に気づいたのは随分経ってからだったけどな(笑)



＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿


無一郎と付き合って3年…そう中学3年生の頃

私と火稀は同じ高校に受験する

無一郎と有一郎もそうだと思っていた…
けど…


有一郎「ごめん…俺、男子高行くから…。」

『そっか…。無一郎は？』

無一郎「僕は……。」

有一郎「どうせなら2人きりで話せよ。
　 火稀行くぞ。」

火稀「え…？あ、うん…。」


教室には、私と無一郎の二人だけ


『…で、どうなの…？』

無一郎「僕…芸能事務所に入ろうと思う。」

『え……？』


衝撃的な言葉だった
無一郎が…？


無一郎「あ、僕は裏方役の方をやりたいんだ。
　 …………ごめんねA。」

『っ…！』


何故応援することが出来ないの？
彼氏だよ？普通応援するでしょ？

言え、私。
「頑張ってね」って




『が、頑張ってね！！！』


作り笑いで言った
嗚呼…最悪だ……


無一郎「ありがとう。」


無一郎は優しく微笑んでくれた

私はアイドルが嫌いだった

でも無一郎はアイドルに憧れていた

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