歪み (ページ13)

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長く感じた収録も終わりに近付いて、今はエンディングの撮影中。

私はまだ新人だから一番後列でひとり。

HS「Aちゃん」

後列とはいえ見られている以上しっかりしなきゃと出きる限り笑顔でいると横から声がしてそっちを向くと、前列にいるはずのホシさんがニコニコしながら立っていた。

「なんで……」

HS「そりゃ、Aちゃんに会いたかったからに決まってるでしょ？」

そう言って私の隣に立ったホシさん。

一気に恐怖感とか不安感が湧いてくるけど、だけどさすがに他のアイドルもたくさんいてペンの方もたくさんいてカメラだって何台もある中ではなにもしてこないだろうと思った。

でもそんな考え甘かった…

「ちょっと……」

ホシさんは前に立つアイドルを壁にして見えないように私の腰をガシッと掴むと自分の方に引き寄せてきた。

密着する体に混乱してしまう。

こんなとこ誰かに見られでもしたら変な誤解を生んでしまうことになる。
要するにせっかくデビューできたのに台無しになってしまう可能性だって…

もちろんホシさんだって人気なのにたくさんのペンがいるのに……

私はなんとか体を離そうとしたがホシさんの力が強くて離れられない。

「離してください…」

出来る限りの小さい声で訴えるも離してくれない。

「お願いです…離してください…」

HS「やだよ。Aちゃん今日ももちろん俺たちの相手してもらうからね。マネージャーさんに頼っても無駄だよ」

「なんで……」

HS「Aちゃんがしようとしてることなんて全部お見通しだからね。Aちゃんは今日もまた俺たちの相手をすることになるんだよ、どう足掻いてもね」

怖かった…、ただ怖かった。

なんで私がアラオンニのことを頼ろうとしてることがわかったのか…

いよいよエンディングの撮影も終わり、ステージから捌けるときホシさんは一瞬してSEVENTEEN先輩たちがいる場所へと戻り、にこにこしながらペンの方たちに手を振っていた。

私は泣きそうなのをグッとこらえまだ数少ないペンの方たちに笑顔で手を振った。

「もう嫌……」

ステージから降りて私は先輩たちに軽く挨拶をして足早に控え室に戻った。

AR「お疲れ様！……ってそんな息きらしてどうしたの？！」

「ううん、なんでもない」

AR「あのね、今日このあとお仕事入っちゃって泊まりいけなくなっちゃったの…」

………え？

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