検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:10,262 hit

53話 一番 ページ15

正樹に肩を押され、バランスを崩したAを受け止めた
Aは俺を驚いた顔で見ている

A「え、直也?」

俺が後ろにいるとは思っていなかったのだろう
咄嗟に手をつこうとしていたAの手が宙をきる

正樹「じゃ、そーいうことで〜」
A「ちょっ!正樹?!」

正樹は弓を手にし、俺たちに手を振りながら何処かへ行ってしまった
その際、一瞬だけ合ったあいつの目は珍しく真剣で…
Aを心配しているのだと一目でわかった
そして俺は改めてAに目を向けた

直也「…説明係お疲れ」
A「あ、うん。直也こそ」
直也「俺は何もしてないけどな」
A「そ、そんなことないよ?私が困ってた時とか助けに来てくれたし…ほら!直也、見学に来てた一年生にモテモテだった…し…」

段々と小さくなっていく声
話している顔だって下を向いている
説明係の間何かあったのかとは正樹の態度で感じていたが、詳しいことはその場にいなかった俺には分からない
しかし、見学生の中で一際目立っていたあの女子
…たしか真実だったか?
あいつらに何か言われたのだろう
なら――…

直也「…何があったのかは知らないけど、俺はAが一番だから」
A「…。っ!!!?」

まだ全ては伝えられない。だけど、これだけは言いたかった本当の気持ち
俺の言葉を聞いたAは一瞬フリーズしたかと思うと次の瞬間には顔をこれでもかというほど赤くしていて、思わず笑いそうになった

直也「それだけは覚えとけよ」

そういった直也はAの頭をくしゃくしゃと撫で、道具の片付けに向かった

A「…っ!ず、ズルいよ…」

ズルズルと壁にもたれかかったAは赤く火照った顔を隠すように座り込んだ

A(今のは友達として…?それとも…。あんな事言われたら期待しちゃうよ…)

---------------
(直也「俺はAが一番だから」)
---------------

A(でも…今の言葉で元気もらえた…)
  「ありがと…」

友達としてでもいい…
あなたの言葉一つで私は元気になれるから…
だけどちょっとだけ…期待してもいいですか…?

------------------------
正樹「知ってた?あの二人、あれで付き合ってないんだぜ?おかしくない?」
里佳子「知ってるわよ。ま、いーんじゃない?自分達のペースで進んでいけばいいんだから」
正樹「そーだね」

近くで温かく見守る二人の姿があったのはまた別のお話――…

54話 別の恋→←52話 親切



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:オリジナル小説 , 恋愛 , 初恋   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白銀の九尾、白火@ルア - わふー!久し振り!読んだぜ!訳あって携帯だけど気にすんな!流石鈴臨だね♪また更新楽しみだよ! (2014年2月27日 8時) (携帯から) (レス) id: fe3c4aef14 (このIDを非表示/違反報告)
ふわの*(プロフ) - 「丁重にお断りさせて頂きます」黄瀬が黒子っちにフられたトコですねw (2013年8月18日 19時) (レス) id: f6dd477fe8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴臨 - ありがとー!!これまで見てくれてありがとね!!続編も頑張りますっ! (2013年2月28日 21時) (レス) id: dcd8aaebcc (このIDを非表示/違反報告)
白銀の九尾、白火 - イヤー><!!続編おめでとう♪コメントも評価も、僕が一番なんだ!!頑張ってねー! (2013年2月28日 17時) (レス) id: 57862f179e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鈴臨 | 作成日時:2013年2月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。