初ライブまで(大) ページ43
正直、みんなが俺のためにライブまで開いてくれるなんて思わんかった。
父親とは分かり合えなくても俺は絶対に店を継ぐ気なんて無いし、最悪家を出てしまえばもう堅苦しい家系に囚われることなんて無いのだと思っていた。
それでも、そんな俺の手を引くように仲間が言うのだ。
"ちゃんと話しせなあかん"なんて、小さい子に言い聞かせでもするように。
(俺のために、みんな頑張ってくれとる)
放課後、部活も終わった
みんなが帰ったあと、俺は毎日汗だくになるまでドラムを叩き続ける。
もう一回。
また同じところでリズムが狂った。
もう一回。
あかん、変調の部分がうまく行かん。
もう一回。
よし、まぁまぁいけた。この感覚を覚えとかんと。
もう一回。
もう一回。
もう一回……………
「あーー！大倉が抜け駆けしよるー！」
突然聞こえた声に振り向くと、マルがニヤニヤとこちらを見ていた。
「え、帰ったんじゃ…」
「大倉ぁ、1人で居残り練習とか水臭いやんか〜…誘ってやぁ〜！」
ズカズカと入ってきて肩を組んでくる。
「よーっし！大倉！やろう！！！今日も元気に延長戦！！練習しましょ〜〜！！！」
大声で叫んだマルの声になんだなんだと他のメンバーも集まってきて、「居残り練してたんか？」「言ってやー！付き合うのに！」なんてしまったばかりの楽器を取り出す。
「わっ！みんな、まだ居ったん？ちょっ、やめてやぁーめっちゃ恥ずかしいやん」
「電車に乗り遅れて」「課題提出忘れとって」「ダラダラ片付けてたから」なんて各々言い訳をするが、それが優しい嘘であることは明白だった。
みんな俺の事を思って、残っていてくれたのだ。
俺はずっと、この人達に見守られていた。
陽も落ちて、蛍光灯だけが眩しいこの教室で。俺は皆んなに甘えるように頼み込んだ。
「なぁ、もうちょっとだけ練習、付き合ってくれへん…？」
お礼は、本番が成功してから。
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てん(プロフ) - みづきさん» ありがとうございます！今後も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年9月13日 15時) (
レス) id: 8ddec21add (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - 続き楽しみに待ってます！頑張ってください。応援してます！ (2018年9月12日 9時) (レス) id: 843d8c558c (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - きいろさん♪さん» 応援ありがとうございます…！きいろさんのお陰で、更新を続ける事を決意することができました。拙い文ですが、今後も作品共々よろしくお願いいたします(´；ω；｀) (2018年4月29日 1時) (レス) id: 8ddec21add (このIDを非表示/違反報告)
きいろさん♪ - 更新頑張ってください！すばるくんがいなくなることが決まって、寂しいですが、7人の関ジャニ∞を書き続けてくれると嬉しいです！応援してます！ (2018年4月28日 8時) (レス) id: dfe925cf14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2018年3月31日 17時
