▼(渋) ページ14
渋谷side
「おっそい……」
俺は講堂のステージ裏でバンドの順番を待っていた。
俺たちの出番まで残り30分。
生徒会の主催する、ビンゴ大会の次…
「……おっそい」
再度呟く。
メンバーが、誰一人として揃っていないのだ。
ステージ前にリハをしたいからと朝早くに部室に集まる予定だったのに、それも来なかった。
クラスの準備があって忙しいのかもしれないと思ったものの、本当はそれだって何か連絡くらい寄越してくれたら良いのに。
まぁ、とにかく、
もう過ぎた話はいい。
問題なのは、現状だ。
(LINE…も、来とらんか。)
何度も携帯で確認するが、相変わらず連絡は来ない。
俺の送ったLINEメッセージは既読4のまま返答は無い。
ガヤガヤとした歓声が耳に響く。
どうやらステージ側では、続々とビンゴの人が商品を手にしているようだ。
出番が近づいている。
バンドステージ15分前。
俺は自分を必死に落ち着かせながら、ステージ裏の階段に座った。
(大丈夫。もうすぐ来る。大丈夫…)
こんなに緊張するのは、初めてのライブ以来な気がする。
俺が初めて立ったステージ。
無我夢中で歌った。
仲間というものを知った。
背を任せて歌った。
真夏の、野外での。
ギラギラとした太陽の光を浴びて。
熱気と歓声。
観客が、全員俺たちを見ている。
頭を振り乱して、飛び跳ねて、俺たちの音楽を全身で感じてくれている。
あいつが、教えてくれた。
俺の歌を好きだと言ってくれた、あいつが……
"お前の音楽は、もう誰にも届かん。"
「………。」
不安が募って来た。
ちゃんと歌えるかな、届けられるかな。
1人がこんなにも心細い。
ステージまで残り10分。
震える手を握りしめる。
あいつを押した感触が戻ってきた気がした。
(あいつ、来とるんかな…)
大丈夫。
今日、伝えるんや。
あいつに、俺の気持ちを。
観客に、俺たちの気持ちを。
来てくれたお客さんに、ちゃんと伝えるんや。
音楽だけは、裏切らない。
口下手で不器用な俺が、唯一気持ちを伝えられる方法。
ドラムが変わって、俺たちの演奏は前よりも確実に質が落ちた。
でも、俺たちは全力を尽くすだけだ。
全力で、観客に気持ちをぶつける。
裸のままの、感情を。
伝われ、伝われって。
「俺たちの歌を、届けるんや…！」
ステージまで、
「残り5分…「次の方！出番です！」
………え？」
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てん(プロフ) - みづきさん» ありがとうございます！今後も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年9月13日 15時) (
レス) id: 8ddec21add (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - 続き楽しみに待ってます！頑張ってください。応援してます！ (2018年9月12日 9時) (レス) id: 843d8c558c (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - きいろさん♪さん» 応援ありがとうございます…！きいろさんのお陰で、更新を続ける事を決意することができました。拙い文ですが、今後も作品共々よろしくお願いいたします(´；ω；｀) (2018年4月29日 1時) (レス) id: 8ddec21add (このIDを非表示/違反報告)
きいろさん♪ - 更新頑張ってください！すばるくんがいなくなることが決まって、寂しいですが、7人の関ジャニ∞を書き続けてくれると嬉しいです！応援してます！ (2018年4月28日 8時) (レス) id: dfe925cf14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2018年3月31日 17時
