毒舌スーパーアイドルは朝日奈になりました2 (ページ36)

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第85話『契機』ページ36

引き続きジュンside

会う度によく話すようになったって言ってもたった二言三言くらいだけどね。それでも私にとってはその時間がかけがえのないものになってて……気付いたら引き止めて長く話していたりもした。

梓さんは私なんかよりももっと忙しいと思うのに私の我儘に付き合ってくれて面白い話を沢山してくれた。

兄弟が多いのって羨ましいなって思うしそこに入れたAも羨ましいって気持ちと大変だろうなって気持ちの両方がある。

ジ「でも、今の私としては梓さんともっと色んな場所に行ってみたいなって気持ちもあってそれでリハビリを再開しようと思ったんだ」

貴「うん！全力で手伝うよ！！リハビリも2人の恋も！」

ジ「でも……いいの？そうしたら表のメディアには出られないよ？」

貴「ネットアイドルになっちゃえばいい！私たち二人も！」

ジ「本当にそれで良いのならこんなに嬉しいことはないよ…」

貴「まだ泣くのは早いよ！泣くのは梓さんとの結婚式まで取っておかなくっちゃ！」

ジ「もう…気が早いんだからっ」

嬉しくて溢れ出る涙を必死で止めて笑う。こんなに泣いて笑ったのもAがまた親友になってくれたからだ。

本当に……

ジ「ありがとね、A」

貴「こちらこそ！また親友になってくれてありがとう、ジュン」

その頃、梓side

今日はAが居たからジュンちゃんと話すことは出来なかったけれど、彼女、昨日今日と続けて通院なんてどうかしたのかな？

さっき棗とかな兄から2人のことは聞いたけどやっぱりAが居るとジュンちゃんも元気になれるんだね。

ジュンちゃんと会ったばかりの頃はAの大切な親友の子だと思って気を留めるようにしていただけだったけれど、彼女の方からお茶に誘ってくれたりもするようになってから彼女と居る時間が凄くかけがえのないものに感じていた。

けれど彼女がいつまで通院し続けるのかは分からないけれど僕の方はもうすぐで退院も近いみたいだし、頻繁に会うことが叶わなくなると思うと行動しなくちゃいけないという気持ちになる。

さっき棗とかな兄が来ていたのだって退院に関する手続きとかだし。

ふと、入口の方に目を向けるとAと話に行っていたはずのジュンちゃんが居て夢でも見ているのかと一瞬自分を疑った。

ジ「あのっ……急に来てごめんなさい。えと……」

梓「来てくれてありがとう。丁度僕も話したいことがあったんだ」

このチャンスを逃しはしない