第70話『情愛に揺られて』 ページ21
隆盛side
貴「でも……謝ってどうしたらいいのかが分かりません。謝って許してもらうんですか？嫌ですよ、そんな中途半端なの…。謝って叱ってもらうんですか？ つっくんが今どんな気持ちでいるか分かりますか？ きっと梓さんのことでショック受けてますよ？ 私が早くに知らせなかったせいで……」
あーあ、もう思考回路がめちゃくちゃになっちゃってるね？
隆「一旦、整理しようね？」
先程からかなちゃんたちが迎えに来ているからAちゃんのこういう不安定な所も出来るだけ見てもらいたいんだけどここまで酷くなっちゃうとねぇ？
隆「まず謝ってその後をどうするか決めるのはAちゃんじゃなくて椿くんだ」
自分でもショックで辛い癖に泣きながら自分を追い込んでしまっている彼女は俺の言葉にそのままコクリと頷いた。
隆「次にAちゃんが謝らないといけないのは椿くんだけじゃない。そうでしょう？」
貴「うん。他の人にも迷惑かけてごめんなさいって謝る。特に琉生さんに」
隆「うん。えらいえらい」
頭を撫でてあげると凄く嬉しそうにするAちゃんは本当に母親似だと思う。彼女の母親は明るくて子供っぽくて元気で…とっても自分のことを責めやすかった。
隆「他に何か言っておきたいこととかはある？」
貴「あっ」
隆「うん？どうしたの？」
貴「えと……恋と愛って難しいですよね…」
隆「唐突にどうしたの？」
貴「なんて言うんでしょう…深い情愛みたいなものを感じる人が居て…なんか猫になった気分みたいな？ …何言ってるのか自分でもわからないけど…」
隆「それは…もしかして恋愛以外の感情で人を愛しているってこと？」
貴「そう……なのかな？ 自分でこの人が好き！ってなる訳じゃないんですけど愛されているのが心地良いように感じる人が居ます」
それは……もしかして椿くん以外の人？
隆「椿くんとはどんな感じなの？」
貴「……椿さんは、最後に会った時は少し怖くてそれ以来お互いに仕事も忙しくて会えてないです」
隆「怖いっていうのはどういう感じ？」
貴「……一緒に居るとちょっとだけ息苦しい感じがして深いけど幅は狭い、みたいな？」
あんまり余裕が無いのかもしれないけどAちゃんはそういうのに慣れていないからこそ他の人からの愛が心地良いものに変わってしまったのかもしれない。
続く
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ジャスミン - すごく面白いです。次の話も早く読みたくってウズウズしています。更新、頑張ってください！ (2018年2月22日 22時) (
レス) id: b88f458e4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝日奈友月@椿愛してる | 作成日時：2017年6月8日 22時
