好きだ勝てない2 (ページ9)

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忘れるページ9

いや、初恋の人だからなんだっていうんだ

もう何年も前の話なんだ

忘れて次に進むのが普通じゃないのか？うんきっとそうだそうしよう

「おい」

「ひゃっ！？な、なに！？」

「んでそんな驚くんだよ。消しゴム忘れたから貸せや」

「あ、うんいいよ！私消しゴ厶2個あるから今日1日貸すよ」

勝己くんに消しゴムを渡した瞬間気づいた

「あっ」

その消しゴムの裏には

よく知られる恋まじないである

好きな人の名前がかいてあることに

「うわぁああぁあ！？」

勢いよく消しゴムを取り上げた

私のバカ！！大バカ！！

今までは勝己くんの名前が分からなかったから

毎度消しゴムが変わる度に「川で助けてくれたあの子」と書いていた

それを張本人に渡してどうする！！

「っ！？なんだよ急に」

「え、あ、いや、！な、なんでもないよアハハ」

死にたい

もう恥ずかしさで涙が出そうだ

いっそ地球の裏側まで穴をほって埋まりたい

「、、、お前。なんか隠してることあんだろ」

「っな！？いやなにもないですケド？」

「お前入学式の日電車にいたやつだよな。あん時もなんか言いたげだったじゃねぇか。俺に言いたいことあんだったらハッキリ言えや」

いや覚えてたんかい電車のときの！

確実に忘れられてると思っていたよ

「いやホントにないですハイ」

「あ゛？んなわけねぇだろ。さっさと言」

「あ！あんなところにすっごいヴィランが！」

勝己くんが振り向いた隙に猛ダッシュした

「あっ！おいテメェどこ行くんだ待ちやがれ！」

言えない！！

何があってもこれだけは！

私は勝己くんのことは忘れて

素敵な出会い。新しい恋。そして理想だった王子様を見つけるんだ！