好きだ勝てない2 (ページ29)

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「今日の野外授業鬼畜すぎない？体クッタクタだよ、、」

「あれぐらいが普通だろが。自主トレが足りてねんだよ」

「ひぇ～やっぱすごいな勝己くんは。私も見習わないと

あ、じゃあ私こっちだから。また明日ね」

「おう」

今日は勝己くんが家の近くまで送ってくれた

一緒に帰る日がくるなんて

最初の頃に比べたらすごい進歩だよなあ

そんなことを思いながら、どんどん小さくなっていく勝己くんを眺めていた

いつかあの隣で歩いて、手を繋いで帰れるように

たくさんたくさん努力しよう

グラッ

「えっ」

その時勝己くんの真上にある看板が大きく揺れたことに気がついた

「え、危ない！勝己くん！」

私の声は聞こえていないようで

誰かから連絡がきた勝己くんはその場で立ち止まりスマホを触り始めてしまった

看板の揺れが激しくなってる

このままじゃ絶対に落ちてくる

嫌だ。勝己くんが大怪我するかもしれないのに、このままじっと見ていられるわけない

勝己くんは何度も私を助けてくれた

次は私が助けるんだ

「ごめん勝己くん！」

力いっぱい突きとばした

地面に転がり込み驚いた表情でこちらを見た勝己くんの顔をみて

自然と涙が零れた

「よかった」

もう少しで落ちてくるであろう看板に覚悟しながら

私はそっと目をつむった