白雪姫

#4 ページ4

・


アメリカでの生活は
確かに最初は苦しかった。


英語にも困る、お金の計算だって変わるから
難しい状況だったけど1年もすれば日常会話も
少しずつ喋れるようになっていた。


アメリカの人達はほとんどが親日で、色んな人
に日本の事を沢山教えて私自身も日本出身な
ことに誇りを持ち始めていた。


でも、いじめられた日々を思い出すと日本と
いう国は残酷な国だと思うことも多かった。


アメリカの学校は運動神経抜群な人や勉強が
めっちゃできる人はほとんどがモテていた。

私は勉強も運動も平均的だったが、ダンスだけ
は学校の中で1番上手かった。


そんな生活では大会に勧められることも多くて
試しに1度出場してみたら2位まで行ってしまい
大会の主催者に色んな所に誘われ、ダンスの
スキルを磨いて翌年、1位を取った。


そこから波に乗った私は様々な大会に出場し、
優勝を勝ち取り、今や世界的なダンサーに成長
したのだ。


私は仮面を被って偽名で活動しているため日本
で有名になることはほぼなかったが、この間、
私がセブンルールに出たことから、日本人と
いうことがバレてしまった。


REI「JOKERどうした？」


『いや、なにも』


私の偽名はJOKER(ジョーカー)。

ただの直感で決めたが、今では結構気に入って
いる。


そして今隣に居るのはイタリアのダンサー、
REI。REIもまだまだマイナーだが、ダンスの
実力はグングン伸びてきている。


REI「なぁ、JOKER、ここはどうしたらこれに
繋げれるんだ？」


『ここはクラブをしながら手をこうやって
曲げるとやりやすいよ』


REI「本当だ！ありがとう！」


2人の会話はもちろん英語。
REIが私に何か聞きに来る時は次の大会で使う
時だけだ。


REI「次のアマチュア杯にJOKERは出ない
のか？」


『私はチャンピオンリーグと被ってるから』


REI「チャンピオンリーグ！？流石だな‪w」


『まぁね‪w』


チャンピオンリーグは世界で一番優勝が難しい
と言われるリーグで、出場するには世界大会で
優勝経験があり、その他最低5つの大きな大会で
優勝したことがある人のみ。という狭き門には
そんなトップレベルの戦いを見たいがために、
観覧料1万払って来る人も大量に居る。


私はチャンピオンリーグ初参戦で、ここで優勝
すればチャンピオンリーグ初の快挙＋真の世界
女王になる。


今から楽しみだ。

#5→←#3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す