【d!】聞き飽きたわ。そんな言葉。 (ページ12)

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１０話ページ12

貴方視点

急いで家に駆け込んだ私は、自分の部屋でひたすらあの人たち(両親)が帰ってきたらどうしようかを考えていた。

『(まぁ殴られないってことはないだろうし、、、)』

逃げるか？いや無理だ。交通手段もなにもない。
誰かに助けを、、、いや無理だ。頼れる人がまずいない。

ｶﾞﾁｬｯ

玄関のドアが開いた。やだ。いやだ。ヤバイ。まずい。どうしよう。死.にたくない。

「A～？どこにいるの～？」

母さん。

「早くでてこーい。隠れていても良いことはないぞー？」

父さん。

「A～？部屋にいるの～？」

階段を上ってくる音が聞こえる。ヤバい。どうしよう。

無慈悲にも私の部屋の扉は開かれた。

『あｯ、、、』

ﾊﾞｼｯ

頬に痛みが走る。思わず座り込んでしまった。

「ねぇねぇA、あの人たちはだぁれ？」

多分ぺ神と兄さんのことだろう。

『ぺ、ぺ神と、兄さん、、、だよ。覚えてない？小さい頃遊んだの、、、。』

ﾊﾞｷｯ

あぁ、また始まった。多分鳴っちゃいけない音したけど。骨折れてなきゃいっか。

「いつからお前は男とそんなことをするようになったんだ！！！！」

父さん、違うよ。助けようとしてくれただけなの。

あまりにも痛くて、苦しくて、辛くて、涙が出た。

『がｯ、、、ｹﾞﾎｯ、、、痛いよ父さん。やめてよ、蹴らないで、、、。』

父さんに腹を蹴られた瞬間、吐き気が込み上げてきた。
勿論、トイレにいく暇もない。

『う"ｯ、、、お"ぇｯ、、、ｹﾞﾎｯ、、、うｯ、、、お"ぇぇｯ、、、。』

「はぁ？！コイツ吐きやがった。汚いわね。ほら下来いよ！」

母さんに首元を捕まれて一階へ降ろされる。

苦しい。息ができない。

『やめて、、母さんｯ！！苦しいから、、、。』

「うるさい！！そんな口、無くなればいいのよ！！」

そう叫ぶ母さんの手には、包丁が握られていた。
マズイと思ったときにはもう遅かった。

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