02.追いかける fkr ページ5
02.追いかける
(先を行くものに追いつこうとして進む。追跡する。おっかける。)
私の幼なじみはとても頭がいい。
年齢は2歳しか変わらないのに、私より随分大人びてて、落ち着きがあって、一緒にいるといつまでも私が子供みたいな気分になる。
私は常に追いかけてる。
同じ中学に入っても1年経てば卒業して、同じ高校に入っても同じ、そして私は迷うことなく同じ大学へ受験した。
『拳にい、なんで一緒に暮らしちゃだめなの?』
「いや、普通に考えて、だめでしょ?」
私は、合格発表をネットでも確認できるものの、やはり生で見たい気持ちが勝って東京に来た。
香川と東京を日帰りで行き来するのは無理があるし、私は拳にいの家へと来た。
1、2日泊まらせて欲しいという願いは快諾してくれた。
『じゃあ、なんで、2日泊まるのは良くて、一緒に暮らすのはだめなの?』
「Aももう大学生で大人なんだから、一緒に暮らすっていうのは、幼なじみではしないんだよ」
言いたいことは分かるけども…
幼なじみと突きつけられると、少し胸が痛む。
「あと、もう、一人暮らしの部屋予約したっておばさんから聞いてるけど」
『くそぉ、ばれてたか…』
合格するかは分からないが、部屋だけはいい部屋が無くなると困ると言って、予約をしておいた。
おばさんこと、私の母が、良さそうな物件を何件か選んでくれていて、その中から1番拳にいの家に近い物件を選んだ。
「一緒には暮らせないけど、遊びには来ていいから」
『ほんとに?そんなこと言うと入り浸るよ?!』
「それは困るなぁ(笑)」
困るって…
こんなにも一緒に暮らすのを拒むなんて…
もしかして、拳にい…
『あ、あのさ、拳にい…彼女できたの?』
「ええぇ、いないよ(笑)」
『本当に?』
「うん、ほんと」
私の心が分かりやすく安堵してる。
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からす猿 - 面白かったです!あとふくらさん推しの方、占ツクであまり見ないので嬉しいかったです。更新頑張ってください。応援してます! (2019年5月28日 3時) (レス) id: eb5caa933e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:烏賊 | 作成日時:2019年5月28日 0時