恋する365日〈QK・短編集〉 (ページ21)

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テーブルを挟んで向かいあわせで座る。

「たぶん…なんのことかわかってると思うんだけど…」
『…見られちゃったなっていうのは分かってます』

「問いただしたり、詳しい事を聞いたりするために来たわけじゃないから、そんなガチガチにならないで(笑)」

福良さんは私の姿を見て微笑んだ。

今の私、そんなに笑っちゃうくらい力が入っちゃってるのか…

「ただ、一つだけ聞きたいことがあって…」
『な、なんでしょう…か？』

「それはQuizKnockのストレスが原因？」

『違いますっ！それは全然違います…QuizKnockは私にとってとても大切な存在です！』

思ったより、大きい声がでて、自分でもびっくりした。

でも、ほんとにQuizKnockは楽しいから。
それだけは否定したい一心だった。

「そっか、そっか、よかった〜。ほんとによかった…。QuizKnockで苦しんでたらどうしようって、昨日全然寝れなかった」

『そ、そんなにですか？』

「AちゃんはQuizKnockにとって欠かせない人だから。QuizKnock辞めたいって言われたらどうしようかなって本当に悩んだんだよ」

私、必要とされてるんだ。
クイズ歴浅いし、足引っ張っちゃうことも多い。

まさか、そんなふうに思ってくれるとは思わなかった。

「もっというと、俺がAちゃんにいて欲しいって思ってる」

『えっ？』

「Aちゃんのこと、異性としていいなって意識してたから、いなくなっちゃうのが嫌だったんだよね…」

うそ…

これは、聞き間違いじゃないよね…

「…突然、こんなこと言ってごめん。あと、辛さを気づいてあげられなくてごめん」

『いえ、全然…むしろ、いつもと同じように接してくれて嬉しいです。ほんとQuizKnockは楽しすぎて、辛いこととかあそこにいる時は忘れちゃってるので！』

福良さんはテーブルの上にあった私の手をとる。

「…もし何か辛いことあって、相談したいことあったら、QuizKnockの事でも、そうじゃなくても言ってね。俺じゃ頼りないかもだけど」

あ、福良さんの珍しい真剣な顔。
パソコンの画面を見つめてる顔とも、クイズの時の顔とも違う…

男らしい顔。

私の1番聞きたいことは…
どうしたらもっと私のことを好きになりますか？

これに尽きる。

06
(これからはもっと慎重に上着脱いでね)
(まあ、そうなんですけど…ど、どうしてですか？)
(正直、Aちゃんのその弱い所を皆に見せたくないって思ったから。ふたりの秘密ね(笑)