検索窓
今日:18 hit、昨日:37 hit、合計:37,823 hit

*41話* ページ42

***

「ウワッ!学園長!ビックリした!」

「もう…、驚かさないでください…」

まだ心臓がバクバクしている

ユウくんなんてビックリしすぎて声も出せていない

「はぁ…。今年もアーシェングロットくんの“商売”を止めることができませんでした」

…『今年も』?

「商売?どういうことですか?」

「アズール・アーシェングロットくん。オクタヴィネル寮寮長を務める2年生です」

「…寮長、か」

「ローズハートくん同様、2年生にして寮長を務める非常に優秀な生徒なのですが…」
「すこし、いえ、だいぶ問題がありまして」

…もしかして、『詐欺』のことかしら?

「問題って、詐欺行為のことか?だったら学園長が命令して、やめさせればいいじゃないすか」

「それが…。私が教師だからこそ彼の行為を禁止できないのです」

「どういうことすか?」

「アーシェングロットくんが生徒たちにばら撒いたテスト対策ノートですが…」
「あれは、事前に出題用紙や解答を盗み見るなどの不正行為で作られたものではありません」
「ナイトレイブンカレッジ過去百年分のテスト出題傾向を徹底的に調べ上げ」
「自力で練り上げた“虎の巻”なんです」

「100年分の出題傾向!?」

「逆にすごいわね…」

「自分の力だけでそんなモン作るなんてやるじゃねぇか、アイツ」

「………!あ、そうゆうことね…」

「ん?待てよ。つまり、不正じゃないことが逆に厄介…ってことか?」

「ビンゴ。多分そういうことよ」

「ハウルくん、良い着眼点です」
「教師の立場として、いち生徒が“合法的な努力”でテスト対策ノートを作ることは禁止できません」
「そして、“親切で”友人に勉強を教えることもね」

「禁止したら、「勉強するな」「ダチと協力すんな」って言ってるようなもんだな。グルル…厄介だ」

「その通り」

「ねぇユウくん。何か嫌な予感がするのは私だけ?」

「いや、僕もします」

何もなければいいけど…

***

*42話*→←*40話*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
128人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

sizuku(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!!私も好きです!♡ (2022年10月6日 17時) (レス) id: e0ce1464e4 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - うp主さん好きです☆(唐突な告白) (2022年10月6日 0時) (レス) @page31 id: 7877cc6234 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:sizuku x他1人 | 作成日時:2022年9月2日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。