その少女、嘲笑 ページ40
二年の数と、一年の数は同じだとバルガスさんは言った。
その間にも、皆はペアを作っていく。
「俺は少しここを離れるからな。十分の間に、決めておけよ」
そう言って、バルガスさんは席を外した。……すれ違いざま、私に優しく微笑んで。
それに少し救われつつ、私は辺りを見渡す。
「ジャック、一緒に組むかい？」
「あ、うす！……お願いします」
ジャックくんは早速、先輩からの誘いがあったらしい。
赤い髪が特徴的な、身長の低い男の子。
その人に声をかけられたジャックくんは、嬉しそうに尻尾を回した。
「……んー、じゃあデュースくん。俺と組むっすか？」
「！……お願いします、ブッチ先輩！」
ラギーさんが、デュースくんに話しかける。
もちろん、他の人たちもだんだんとペアが決まっていく。
「カニちゃん、一緒にペアになろっかぁ」
「や、今日の先輩の調子によってどうするかは「あ？」やらせていただきます！」
フロイドさんとエースくん。それから、あの子と黒髪で褐色の男の子。
義姉さまと、ジェイドさん。
エペルくんと、アズールさん。
だんだんと皆にペアが出来ていくのに、私には出来ない。誰からも、声をかけてもらえない。
『……あの、ペアに』
「ちっ、話しかけてくんなよ。俺までお前みたいな頭おかしい奴だと思われるだろ」
『……っ、ごめんなさい』
側にいた二年生の先輩に話しかけると、舌打ちとともにそんな言葉が降ってくる。
他の人たちに話しかけてみても、やっぱり皆同じ反応で。
じわりと涙が滲んでくる。
バルガスさんにバレたらどうしよう。バルガスさんが来るまでに、ペアを見つけないといけないのに。
誰ともペアが組めず、時間だけが過ぎていく。
やがて、私以外の皆はペアを組み終わってしまった。
「アイツ、一人かよ」
「まぁ一人の方が良いんじゃね？どうせ嫌なことしか言わねぇだろ」
「確かに。ぼっちおめでとうございまぁす」
くすくす。くすくす。
小さな蔑みが、大きな嘲笑に変わっていく。皆が、私のことを馬鹿にして笑っているように聞こえて。
思わずその場にしゃがみ込んだ。
「悪い！準備に手間取っちまって、まだ授業始まってない……よな！？」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
この話(まとまり)が終わったら、続編に移行しようかと思っています。
恐らく今日の夜八時くらいには、移行できるかと。
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推しが尊い - 先生まじで優しすぎて泣く。好感度がバク上がりした (4月27日 0時) (
レス) @page46 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…！義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました！何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです！完結おめでとうございます！ (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが？！！好きです！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2020年9月18日 16時
