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その少女、悪夢 ページ20

「……あぁ、そうそう。小鬼ちゃんが寝ていたときにね、狼の小鬼ちゃんが購買にきたよ」


『……ジャックくんが?どうして……』


「んー、純粋に小鬼ちゃんを心配しているように見えたけどね。……まぁ、どうするかは小鬼ちゃん次第だよ」




私、悪いことしちゃったのに。……明日、話してみようかな。


そう一人で頷いていると、両手に毛布を抱えた先生たちが戻ってきた。先生たちは部屋の中に毛布を敷き詰めていく。


やがて、私の部屋はもこもこの毛布でいっぱいになった。




『……あったかい、です』


「それは良かった。……では私たちはそろそろ部屋に帰りますね。何かあったら言うんですよ?」


『……はい』




クロウリーさんがそう言って扉を閉める。パタンという乾いた音がした後は、何の音もしなくなった。


先ほどまでの騒がしさが、嘘のよう。……なんか、寂しいなぁ。


ぐ、と伸びをしてもぶつからない部屋の大きさ。手を前に伸ばしても天井にあたらないほどの部屋の高さ。


……なんだか、落ち着かないなぁ。




『……ふわ、ぁ……』




そうは言っても眠気はくるもので。


私はもぞもぞと一つの布団を身体に被せる。暖かい感覚と、落ち着く匂い。


……おやすみなさい。








『……あーあ、アンタみたいな醜くて卑しいがついてくるならあんな男と再婚しなかったのに!』




あぁ、これは夢だ。私の昔の夢。


お父さまが死んでしまって、義母さまと義姉さまと暮らすことになって一年少しの頃の、私。


この時は何をしたんだっけなぁ。……あぁ、そうだ。


お腹が空いて、倒れそうで。義姉さまのご飯を食べてしまったんだ。




『ごめっ、なさ!……いだぃ、ごめんなさいっ……!』




泣きじゃくる私の背中に、足に、腕に。義母さまが持った鞭が振り下ろされる。


乾いた音と、私の泣き声。それから、私を見て笑う義姉さまたちの声。




『ほんっとに使えない子ね!』




義母さまの叱咤の声に、私の身体がびくりと震える。


義母さまの目は、薄暗く濁っていた。……あぁ、思い出した。確か、この後は。




『言っても分からない手なんて、いらないわよねぇ?』


『!ひっ、やだ、やだぁっ!ごめ、ごめんなさい!もうしません、しない、からぁっ!許してっ、くださ!』




暴れる私の腕を、義姉さまたちが強い力で抑える。


義母さまが持ち出したのは、サイズが高い包丁だった。


その包丁の刃が、私に向かって一直線に振り下ろされーーー。

その少女、起床→←その少女、物置



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推しが尊い - 先生まじで優しすぎて泣く。好感度がバク上がりした (4月27日 0時) (レス) @page46 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…!義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました!何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです!完結おめでとうございます! (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが?!!好きです!! (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年9月18日 16時

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