Primrose. (ページ10)

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10 樹side ページ10

その後、住所を聞いて北人さんを送り届けた。

インターフォンを確認せずに

飛び出てきたAちゃん

『北人！！！』

樹「こんばんは、夜分遅くに申し訳ないです…」

『こちらこそ…メンバーのいつき…くん?
北人がいつもお世話になってます。』

樹「いえ、こちらこそ。
ほら、北人さん起きて！着きましたよ！」

北人「…んん…A？あれ…樹なんで…」

目を擦りながら寝ぼけたように聞いた北人さん。

年上だけど不覚にも可愛いと思ってしまう(笑)

『樹くん、ごめんね?北人っていつもこんな感じなの?(笑)』

樹「いえ、普段そうでもないんですけど…(笑)」

北人「んー、猫はハウスっ!ほら早く帰った帰った」

『送ってもらったのに何言ってんの?!
ほんとに樹くんごめんなさい!ありがとうね。』

もう会えないかもしれない

そう思ったらどうしても繋がっておく手段が欲しかったんだ。

樹「あの……もう他人事でもない訳だし
LINE、交換しませんか?北人さんいつでも送り届けれるように…?」

『そうだね！北人のことで何かあれば連絡して？』

俺はいつからこんなにせこい人間になったのだろう。

2人の関係は絶対に切れないと分かっていながら。

そして今、俺の目の前で大粒の涙の理由は

北人さんなんだ。