Primrose. (ページ40)

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約束の20時

行き交う人々は仕事帰りで疲れた様子。

そんな中私は約束の時間に約束の場所で

ただただ北人を待つ。

5分前に北人に送ったLINEは未読のまま

まだレコーディングが続いてるのだろうか？

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どれだけここでこうしていただろうか？

真冬の寒空の下でマフラーに顔を埋める。

帰ろうかな…

「…っ！……A！」

聞き慣れた声

待っていた人の声

『遅いよ…ばかっ……』

北人「……ごめん…寒いでしょ…？この時間だしもうお店もやってないか…」

『いいよ、ここで話そ…人通りも減ってきたし』

今私、北人のこと、好きかな…？

分からない思いがぐるぐる頭の中で回り始めた。

北人「その…あっ！朝！…の…卵焼きどうだった？」

『あ、うん、ぐちゃぐちゃだったね』

いつも通りにいかない。

いつもなら、下手すぎ！とか、もっとラフに返せるのに

北人「そっか…。もう卵焼きもAに食べてもらえないのかなぁ……

樹のこと、好きなんでしょ？」

北人は気づいてたのかもしれない

私がまっすぐに思いを寄せてくれて、優しい

樹くんに気持ちが行き始めてること

『すき…なのかな…分からない。でも

いつも真っ直ぐで私のことだけ考えてくれた

そんな樹くんの気持ちに答えてあげたかったの』

北人「俺2人のこと応援するからさ！
いやぁ～まさかくっついちゃうとはなぁ～！」

予想外の言葉だった