Primrose. (ページ36)

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＂そこに答えがあるんじゃないかな＂

そう言って篠原さんとの電話を終えた。

いつの間にか家のドアの前にいて

意を決して扉を開けた。

すっごく重たい扉。

こんなにも重かっただろうか？

きっと、開けたら北人が飛びついてくる

いつもなら嬉しいのに

今日はそれが怖い。

『ただい…ま…。』

「おかえり！樹とどこ行ったの～？」

何も知らない、いつもと変わらない北人。

相変わらず目に見えそうなありもしない

尻尾をパタパタさせてる。

『ごめん、北人、今日はもう寝る』

北人の顔が見たことないくらいに曇った。

「そっか。じゃあシャワー浴びなよ」

『うん』

シャワーを済ませ、ベッドに寝転ぶ。

北人「A、何があったの？」

『何も無いよ』

北人「何もないわけないだろ？！いつもと全然違うよ。樹にキスされてどう思った？嬉しかった？」

なんでそれを…

なんで怒ってるの？

『北人は…北人はどうなの？私が樹くんとキスしたこと、どう思ってるの？』

北人「それは…」

『もう、いいから』

北人「明日、俺、Aに言わなきゃいけないことがある。それまでは待っててよ」

いつになく真剣な表情で

北人は私を見つめた。

北人が明日、私に言おうとしてる事が

何となく察しがついた。

今までの私なら嬉しくて堪らなくて

きっとこの瞬間からに

ニヤケが止まっていなかったと思う。

でも今は、全然嬉しくない。

樹くんへの気持ちはどうしたらいいの？

忘れられないよ。今日のこと…

こんな恋愛した事ないから

分からない。自分の気持ちも、

北人の気持ちも、樹くんの気持ちも。