Primrose. (ページ32)

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樹「最後に行きたいところあるんだけど
まだ時間いい？」

『もちろん。』

また手を取られる。

樹「Aちゃん、手冷たすぎ」

『樹くんはあったかいよ(笑)』

樹「こうしたら。もっとあったかいよ」

そういって樹くんは

自分のコートのポケットに繋いだ手を入れた

鼓動が早くなる。

だって、少女漫画で読んだことあるよ

樹「あったかいでしょ？」

『うん。でも緊張しちゃうかも』

フッて鼻鳴らして笑った樹くん。

樹くんらしいなぁって

ずっと歩いてきて人通りもだんだん少なくなって

どこいくんだろうって思っても

なんか喋りかけずらい雰囲気

樹「ここ、」

やっと着いたと思った先は

『わぁ！凄い！こんなに綺麗な所近くにあったんだ！イルミネーション！！』

樹「イルミネーション見に行きたいって
俺に言ったでしょ？だから、約束は守らないとさ」

照れくさそうにこっち見て笑うから

私まで照れくさくなって

『こんなの生まれて初めてだよ。ありがとう』

綺麗～なんて子供みたいにはしゃいで

周りが見えなくなってたけど

気づけばカップルばっかりだって気づいて

『樹くん…そろそろ、行かない？』

樹「もういいの？」

『周りが気まずいよ(笑)』

樹「いいじゃん、俺らも今日はカレカノって事で」

『でも……』

だって、みんなキス…してる

ここから抜け出したいのに樹くんは冷静

樹「ねぇ、こっち向いて」

『え？』

振り返れば色っぽくこっちを見て

近づいてきて

普通に握ってた手は既に1本1本絡まってた