Primrose. (ページ31)

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クリスマスイブ

『ごめんね樹くん！お待たせ』

樹「今日も可愛い…//」

樹くんの口から可愛いなんて！！！

レア過ぎて言葉が出ないよ

『凄い気になってたんだけど
私と2人で街歩いたらまずくない？？』

樹「まぁ。そうだけどなるべく人通りの少ない場所選んで歩くよ、行くよ」

さりげなく取られた手。

冷えきった指先に温もりを感じた

クリスマスにデートって何するんだろうって

ずっと思ってた。

クリスマスだから特別とか関係ない気がして

どうも疑問が解けなかった。

でも今日わかったかも。無条件に幸せになれる

季節という魔法

街路樹に装飾されたイルミネーションの下を

くぐり抜けて

買い物をして

なんかお高そうなビルの上階のレストラン

こんなの初めてだよ

樹「開いた口が塞がってないよ？(笑)」

『だ、だって……』

樹「特別に…したいから」

樹くんはいつも頑張ってくれてる。

その気持ちは素直に嬉しいから受け取りたいの

でも、いつも私の胸の奥で笑ってるのはどんな時も北人なんだって。

『樹くん、いつもありがとう。凄く伝わってる』

樹「答えは催促しないよ。明日北人さん、なんて？」

『夜……空けといてって』

樹「先に言っとく。明日収録とリハと年明けのスケジュールとかのメンバー会議なんだ、それに加えてボーカルは……

新曲のレコーディング。

到底夜が空くとは、俺は思えない。」

何か嫌な予感がした。