un cuoco curioso① (ページ8)

今日:43 hit、昨日:74 hit、合計:27,254 hit

【中等部】07 ページ8

お互いが自身の出自を話して思ったのは似ているなという事。
性別に始まり髪色や肌の色も正反対だが似た出自という、傍から見れば真逆の双子とでも言われそうである。
意外な共通点から話は盛り上がり、お互い名前での方が良いという事もあり名前で呼び合うことにした。

温室内でスパイスの話から出自の話になり、今は世間話をしていると温室の入口から城一郎と汐見が顔を出した。

城「中々戻ってこねぇと思ったらまだ此処に居たのか。」
『あ、父さん。』
葉「つい話し込んじまったな…。」
城「お！Aと仲良くなれたのか～！」
『アキラと出自が似ててちょっと面白かった。』

へ～と以外そうな顔をする城一郎だが、Aが名前で呼んでるくらいだから大丈夫だろうと思いAの頭を撫でる。
城一郎と共に来た汐見は嬉しそうに満面の笑みで見守っている

城「んじゃ、そろそろ極星寮に行かないといけないしお暇するわ。」
汐「え！Aちゃんも極星寮なんですか！？」
『｢極星寮？｣』

Aと葉山は揃っておうむ返しをすると、汐見達が遠月の生徒だった頃暮らした寮だと言う。

汐「ふみ緒さんの入寮テストがあるけど、Aちゃん食材は持ってきた？」
『…え、持って来てないというか聞いてないです。』
城「あれ？言ってなかったか？」
『聞いてない。』
汐「…先輩。」

汐見は呆れた顔で城一郎を見るが本人は気にする様子もない。

城「ま、残り物とかで何とかなんだろ！」
葉「(何とかなんねーだろ…)A、ゼミにある食材持ってくか？」
『良いの？』
葉「合格出来ないとマズいだろ。」
汐「葉山君ナイスアイディアだね！早速食材を見繕う！」

善は急げと言わんばかりに汐見に引かれゼミの中に戻る。

汐「作るものも決めないとね～。」
『使う食材の指定とか無いんですか？』
汐「特には無いけど、ふみ緒さんの審査は結構厳しいからなぁ…。」

寮母を唸らせる料理、舌の肥えたふみ緒を満足させるのは至難であるという。
汐見とA2人で頭を捻らせていると別室に行っていた葉山が数種類のスパイスを片手に戻って来た。

葉「これも一応持ってくか？基本的な使いやすいスパイスだが。」
『助かる、ありがと。』

葉山が持ってきたのはカレーによく使うスパイスの他にブラック、ホワイトペッパーやスターアニス、ローレルも入っていた。

『…あれにしようかな。』

ふと出てきたメニューならスパイスを使えると思いAは必要な食材を見繕う。