un cuoco curioso① (ページ47)

今日:46 hit、昨日:36 hit、合計:27,183 hit

【中等部】46 ページ47

目的のAの部屋に付いた吉野は扉をノックするが反応は無かった。

吉「あれ？聞こえてないのかなぁ～。」
佐「確かに調理場って奥にあるしなぁ～。」
榊「もう！本当にやめた方が良いわよ！」
田「そ、そうだよ…！才波さんが嫌がるよ…！」
伊「…去年の薙切の件の二の舞になりたいんだったら止めないけどな。」
青「同じ極星寮なんだから薙切みたいな事は無いだろ。」

吉野はさっきより強くノックするが反応は返ってこず、聞き耳を立てても静かだった。
試しにドアノブを下げると施錠しておらず簡単に扉が開いた。

吉「よし！入ろう!!」
榊「はぁ…、私は知らないからね。」
田「(ど、どうしよう～!!)」
伊「俺は巻き込まれたくないから戻る。」
榊「私も部屋に戻るわ。後でどうなったって知らないわよ？」

Aの事を知る伊武崎と榊は巻き込まれたくないと言い部屋に戻って行ったが、どうしていいか分からない田所は吉野達を止めつつ留まっていた。

吉「じゃ、開けるよ…！」

吉野の言葉と共にAの部屋の扉を開けるとAと葉山が炬燵で寄り添って寝ている光景が見えた。

吉「…寝てる。」
青「…やっぱそういう関係なのか？」
佐「…つーか起きねぇけど。」
田「あ、あの！流石に不味いよぉ～！」

試作している訳でも無くただ普通に穏やかに寝ていた二人を見て吉野達は固まった。
榊と伊武崎は先程戻ると言っていたが通路の角から様子を伺っていた為様子がおかしい事に気付きAの部屋を覗く。

榊「あら、寝ちゃってるのね。」
伊「本当に仲良いな、こいつ等。」

静かに起こさない様にしつつ、状況も確認できた伊武崎と榊は今度こそ戻ろうとした時葉山が目を覚ました。

葉「(…寝てたのか。何時だ？)」

眠気眼で時計を見ると時刻は17時を指しており流石に寝すぎたと思いつつAを起こす。

葉「A、起きろ…。」
『うぅ……んー、寝てた…。』
葉「今17時。」
『寝すぎたねー。』
葉「身体いてぇ…。」

ベッドの淵に身体を預けていたせいか体のあちこちから音が鳴り、固まった身体を解そうと伸びをする。
ふと視界の端の扉に気付き目を向けると極星寮の同期がAと葉山を眺めている事に気付く。

葉「……なんか用か？」
吉「え！いや、えーっと…。」
田「だからやめとこうって言ったのに…！ご、ごめんなさい～…！」

何をしに来たのか分からないが葉山は訝し気に吉野達を見ていた。
Aは寝起きで頭が回っていないのか少しぼーっとしてる。