un cuoco curioso① (ページ45)

今日:22 hit、昨日:74 hit、合計:27,233 hit

【中等部】44 ページ45

Aの後に続いて寮に入った葉山は意外と中は綺麗だと感じた。
階段に進もうとすると厨房から人が出てきたのか何人かの同級生の姿を目にすると一人がこちらに気付いたのかAと葉山の存在に驚いてた。

榊「あら、才波さんが人をを連れて来るなんて初めてね。」
一「才波くんが人…と言うより異性を連れてきた事の方が驚きだね。」

比較的Aと交流がある同期の榊と一学年上の一色が騒ぐことは無いが驚きを口にすると厨房内にいた他の寮生に聞こえたのか驚いたように厨房から飛び出しAと葉山を見る。

『……(うるさいなぁ)。』
葉「(Aが言ってた理由ってこれか…)…どーも。」
吉「何々どーいう事!?2人ってそーいう関係だったの!?」
榊「悠姫、やめなさい。ごめんなさいね才波さん。」
『……行こ。』

面倒くさそうな顔をしながらAは葉山を促し自室に向かうが、後ろからは吉野を初め数名の寮生が騒いでいた。

葉「……確かにあれはAには無理だな。」
『…寮を出ようかなって考えた事もあったよ。でもここからゼミが近いからやめた。』
葉「そうだったのか。まぁ、さっきの2人は割と良心的だったけどどうなんだ？」
『榊さんは良いけど、先輩はなぁ…。』
葉「嫌だったのか？」
『嫌という……うぅん。』

言いにくそうに顔を顰めるAに葉山は意外としつこいのかと考えるとAの口から苦手と出た。

葉「苦手？」
『………なんかいつの間にか裸エプロンだったりふんどしだったりする。』
葉「は…？………はぁ！？」

Aの口からとんでもない単語が出た事で葉山は今までにないほど驚きの声を上げ、さっきの温厚そうな先輩には結びつかない部分に人は見かけによらないと思った。
衝撃的な事実を知った葉山はAに促されるままAの部屋に入る。

Aの部屋はテーブルにラグ、ベッド、勉強机、本が入った棚、トロフィーが並べられた棚くらいしか置いてなかった。

葉「シンプルな部屋だな。」
『そう？がっかりした？』
葉「なんでがっかりするんだよ。俺はこういう部屋の方が好きだな。」
『ほら、男子って女子の部屋を可愛い物が置いてあるイメージって聞いたから。』
葉「誰だそんな事言ったやつ…。想像力豊か過ぎるだろ。」

俺の部屋もこんな感じだろというとAはそういえばそうだと返す。
時刻は昼食より遅い時間だがAと葉山は自前のエプロンを付けおでんの下準備に入る。

(どんどん距離感が可笑しくなってくのが楽しい。)