【中等部】39 ページ40
調理が終了し、先輩達は順に審査されていくが結果はあまり良くなかった。
良くて40点台といった数字が電光掲示板を埋めていくがレベルの高い品を作った先輩を皮切りに順位は更新されていった。
掲示板に表示された【司瑛士】【小林竜胆】【茜ケ久保もも】【斎藤綜明】がこのブロックの本選出場選手に決まった。
審「いやぁ〜、前のコンクールで審査した料理以上のものが食べられて安心したよ〜。」
審「あぁ、彼女ですか！私も審査中彼女の料理と比較してしまいましたよ。」
審査が終わった事で気が抜けたのか、審査員達はAがコンクールで作った品と今回の本選メンバーを含め生徒達の料理を比べたと本心を口にしていた。
『げっ……。』
葉「……やっちまったな。苗字変えといて正解だったな。」
『…うん。』
暫くはコンクールを控えようか考えていると話が気になった司や竜胆が審査員達に寄っていた。
司「あの、その彼女の事を教えて頂けますか？」
審「あぁ！遠月の生徒で'中村'さんだよ！」
竜「中村ね〜…。」
審「確か中等部だった筈だ。」
司は名前はと問うとAさんだと審査員は隠す事無く教えると司と竜胆は離れていった。
面白い物を見つけたという顔をする竜胆は司に明日突撃しようと促す。
司「学年も分からないのにどうやって探すんだ？」
竜「んなもん後輩に聞いて回るしかねぇだろー！」
茜「わざわざ会いに行くの？」
だってどんな奴か見てみたいだろと竜胆は興味津々という顔をしていた。
客席にまで竜胆の声が聞こえた事でAと葉山は顔を青くする。
『…やばい。』
葉「司先輩ならともかく、小林先輩から絶対逃げろ…。」
『……そうする。』
葉「(あいつ等にも伝えとかないとな…。)」
明日は普通に授業がある為、来るなら放課後だと考えつつ葉山はスマホを取り出し編入組+自身が入っているグループ画面を開き朝一に集合する様連絡した。
翌朝いつもより早い時間にAと葉山はアリス達の部室に入ると既に4人が揃っていた。
各々挨拶をした後、黒木場が用意した椅子に座り今回の件を口にする。
葉「昨日連絡した通り、高等部の先輩がAに接触しない様にすることだ。」
ア「私とリョウくんは別の会場だったから知らないけど、どんな方なの？」
イ「うーん、なんて言えばいいかなぁ。」
タ「調理を見る限りでは…荒々しい？」
葉「…猪突猛進？」
タ「それだ！」
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作者名：水煮缶 | 作成日時：2023年6月30日 0時
